Adobe Illustrator-基本のフチ文字の作り方①

Adobe Illustratorを使って基本的なフチ文字を作ります。「袋文字」とも呼ばれます。
フチ文字には２通りの作り方がありますが、見た目はほぼ同じです。状況に応じて使い分けます。
今回は「文字属性を活かして作る」やり方をご紹介します。
見出しに「①②共通」とあるのは、「Adobe Illustrator-基本のフチ文字の作り方」①と②の共通項目です。

アピアランスパネルを表示する（①②共通）

まず「アピアランス」パネルを表示させます。
デフォルトの「初期設定」のワークスペースには、アピアランスパネルは表示されていません。

以上のどちらかの方法で「アピアランス」パネルを表示しましょう。

テキストオブジェクトを作成する

「文字ツール（Ｔ）」を選び、アートボード上をクリックして、ポイント文字を作成します。
文字の色はデフォルトでは黒になっています。今回の作り方では、この段階で文字の色を変更してもＯＫです。
フォントやフォントサイズも自由に設定します。

入力し終わったら、「Esc」キーを押すか、「選択ツール（Ｖ）」に切り替えてアートボード上の空いた場所をクリックし、文字の編集を終了します。

オブジェクトのアピアランスに「線」を追加する

「選択ツール（Ｖ）」で作成したテキスト（ポイント文字）をクリックして、オブジェクトとして選択している状態にしておきます。

「アピアランス」パネルの「新規線を追加」をクリックします。
「線」と「塗り」の項目が表示され、「線」が追加されるので、好きな線幅や色に変更します。そのままでも構いません。

「文字」項目を一番上に移動する

テキストに適用されている色（例では黒）は、そのままでは表示されませんが、「アピアランス」パネルの「文字」項目に格納されています。
「線」を追加した直後の状態では、「文字」項目が「線」の下になっているので、「文字」項目を一番上に移動させます。

文字色を変更するには

今回のやり方では、常時表示されている「塗り」の色を変更しても、テキストの文字色には反映されません。

いずれかの方法で文字属性のアピアランスにアクセスして、「塗り」の色を変更します。
イラストでは「塗り」を黒から赤に変更しています。

これで「文字属性を活かして作るフチ文字」の完成です。

「文字属性を活かして作る」利点と欠点

今回の方法では以下のような利点と欠点があります。

文字を重ねてフチ文字を作らない（①②共通）

Microsoft OfficeのWordやExcelでフチ文字を作成する時は、「ワードアート」機能を使いますが、「輪郭」は常に「塗りつぶし」の上になっており、重ね順を変更することはできません。
「輪郭」の幅を太くすると、文字色がその分隠れてしまうので、テンプレートの設定を変更すると、きれいなフチ文字にはなりません。
そのためWordやExcelでは、同じ場所に複製した文字を重ねて、フチ文字っぽく見せることがあります。

しかしAdobe Illustratorではアピアランス機能が搭載されているので、一つの文字（テキスト）だけで、きれいなフチ文字を作ることができます。
複製した文字を重ねてフチ文字を作ることは、以下のようなデメリットがあるので、お勧めしません。