SNSは犬飼いにとっても、愛犬の様子を紹介したり、愛犬家同士でつながったり、またワンコ関係の情報を拡散・共有したりと、とても便利なツールです。
「SNSとのおつきあい①」では、SNSについての知識や、SNSが元で起きた事件を書いています。
SNSとは?
SNS(エスエヌエス)とは、「Social Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」の略称です。
広義には、社会的ネットワークを構築できるサービスやウェブサイト全般を指します。
狭義には、主に人と人とのつながりを促進するコミュニティ型の会員制サービスと定義されます。
代表的なものとして、Facebook(フェイスブック)・Instagram(インスタグラム)・Twitter(ツイッター)・LINE(ライン)などが挙げられます。 ウィキペディアによるとTikTok(ティックトック)・YouTube(ユーチューブ)などの動画中心のサービスや、Flickr(フリッカー)・Pinterest(ピンタレスト)など画像・写真共有サービスもSNSに分類されています。
ブログとの違い
ブログは「Web log(ウェブログ)」の略です。
狭義的にはSNSと区別されています。
ただし、コメント欄などを設けて、コミュニケーションを図ることができるブログの場合は、広義的にはSNSととらえる向きもあります。
ブログは「ストック型メディア」と呼ばれ、書いた記事が蓄積されていくという特徴を持ちます。過去の記事も読んでもらうことができます。
対してSNSは「フロー型メディア」と呼ばれ、投稿はどんどん流れていきますが、一瞬の拡散力は強力です。
Twitterなどの投稿は流れていきますが、ネット上に残らないわけではありません
一度拡散されると完全に削除することは難しく「デジタルタトゥー」と呼ばれています
アカウントとは
アカウントは、利用者を識別するIDや、利用する権利のことです。
利用者はアカウントとパスワードを入力することにより、ログインする権利を認められたネットワークやコンピュータやサイトにログインすることができます。
ネットスラングでは略して「アカ」「垢」と呼ばれたりもします。
「垢」と表記すると汚いイメージがありますが、「アカウント」の「アカ」に漢字を当てたもので、本来の垢とは関係がありません。
前に単語がついた「裏アカ」「サブ垢」などと言った使い方をします。
ちなみにこれらは、メインのアカウントに対してサブのアカウントであることを示しています。
複数のアカウントを持つことのできるSNSでは、用途によって使い分ける利用者もおり、仕事と趣味を分けたりするほか、メインでは出さない人格や内容を投稿する場合も(そしてバレて騒動になる場合も)あります。
何かのジャンルに特化したアカウントのことを「~垢(またはアカ)」と呼び、犬が中心なら「犬垢」、犬以外にもツイートする場合は「犬多めの雑多アカ」などとプロフィールに書いている方も見かけます。
木村花さんの事件
2020年の春、恋愛リアリティ番組「テラスハウス」に出演されていた、プロレスラーの木村花さんが、番組の内容が発端とされる、SNSでの激しい誹謗中傷が元でお亡くなりになりました。
コロナ禍によりプロレスの興行もできず、自粛生活が続く閉塞した環境も拍車をかけたのではという見方もありました。
私は木村花さんが出演されていた番組を観ておらず、それまで彼女のことも存じ上げなかったのですが、「ネット上で悪意に晒される」という経験はしたことがあり、他人事とは思えませんでした。
また、彼女は猫を飼っていらっしゃったそうですが、かつて猫飼い、現在は犬飼いの身としては、猫のためにすら思いとどまることはできなかったのかと、本当に痛ましく、残念に思いました。
事件後
この事件がきっかけとなり、今までは「有名税」として片づけられがちだった、著名人や芸能人への誹謗中傷が問題視され、またSNSでの発言自体も考え直されるようになりました。
一般人にくらべて多数の悪意が集まりやすく、今まではイメージのためにも耐えるしかなかった著名な方々が、声を上げ、戦われるようになったことは、大きな一歩ではないかと思います。
その一方で、未だに「批判は必要」「思ったことを言う権利はある」「気にしなければよい」「言われるのが嫌ならSNSをやめろ」という意見も根強いようです。
が、今やSNSは必需となりつつあり、ことに著名人や芸能人ともなれば、発信しないわけにもいかない事情がおありでしょう。
また一般人の延長線上にあるような人が、SNSによって、広く発信したり仕事に繋げたりといった敷居が格段に低くなりました。
その一方で、リアルでは考えられない強い嫉妬など、SNSを利用するメリットをはるかに上回るデメリットを、直接に受けるという状況にもなっています。
誹謗中傷自体は、その定義が人それぞれで異なる部分もあり、単に他者を不快にさせて悦に入るような人もいるので、決してゼロにはならないと思います。
でも現状、受けた側に「スルーできないならSNSをやめろ」というのは少々暴論ではないかと個人的には思っています。
それは誹謗中傷を肯定していることになるではないのか?と。
自分とは無関係の人なのに、「こいつには叩かれて当然の理由がある」みたいに叩くの、私は怖い
噂や記事が本当に真実かどうかも分からないしねぇ
プロバイダ責任制限法改正
2021年4月に「プロバイダ責任制限法」が改正されました。
施行日は未定ですが、2022年の施行が予定されているようです(2022年1月現在)。
従来は発信者を特定するためだけに、裁判手続きを2回経なければなりませんでしたが、改正により、1回で済む裁判手続きが新設されました。
次が新設された手続きの簡単な一覧です。
新設された手続きは、従来の手続きと選択できます。
素人目にはどこがどう違うのか具体的には解りませんが…開示される情報についても拡大され、今までは個別事情に左右され、特定が困難だったケースでも、スピーディーかつスムーズな情報開示が可能になることが期待されています。
とはいえ一般人にとっては、まだまだ敷居が高いことに変わりはありません(悪用されないためにも、あまり手軽になられても困るのですが)。
それに、どこまでがセーフでアウトなのかも個人の主観によるので、専門家に相談するにしても、なかなか難しいな、と個人的には感じています。
木村花さんに誹謗中傷を行ったアカウントは、注目を集めると次々に削除され始めたそうですが、この件に限らずログ(=利用状況やデータ通信など履歴や情報の記録)が残っていれば、罪に問われる可能性は十分にあります。
全面的に善意によるのは無理だから、法律が変わっていくことで抑止力になればいいな
誹謗中傷とまでいかなくても、書き込む前に、これは暴言や悪口じゃないか再確認するのも大切かもね
次回はワンコ界隈のTwitterについてでーす
参考
総務省「発信者情報開示の在り方に関する研究会 最終とりまとめ(案)」
総務省「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律 新旧対照表」
契約ウォッチ(LegalForce)「プロバイダ責任制限法改正(施行日未定)のポイントを解説!!」
ベリーベスト法律事務所「発信者情報開示請求とは」
IT Media News(おおつねまさふみ)「“繋がりすぎる”ネット時代の誹謗中傷問題、解決策はあるのか」
プレジデント オンライン(高橋暁子)「「亡くなったのはかわいそうだけど」有名税を肯定する大学生の言い分」
mi-mollet(加谷珪一)「日本で「被害者叩き」がやまない理由。もうスルースキルという言葉は死語にしよう」
ENCOUNT(堀内善大)「誹謗中傷する人に欠けているもの」
幻冬舎plus(山口真由)「木村花さんと「強い人」「弱い人」「繊細な人」|ハイスペック女子のため息」
週刊女性PRIME(高橋祐樹/取材:我妻アヅ子)「木村花さん訃報で考えるネット誹謗中傷 「ヘボ」はアウトだが「死ね」はグレー」
「SNSでの中傷で自殺に追いやる“指殺人” 世界でも問題視、法整備求める声も」
ネットでファン(内藤勲)「なぜブログが必要か?ブログとSNSの特徴の違い」
ネットメディア研究所(落合正和)「ブログとSNSの違い」
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』