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プードル/Poodle

ハ行
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別名:カニシュ/バルボン
原産国:フランス(ドイツと表記される場合もある)
区分:小型犬・中型犬・大型犬
グループ:9
体高:T=23~28㎝/m=28~35cm/MD=35~45cm/S=45~62cm
体重:T=3㎏前後/m=7kg前後/MD=18kg前後(メス15kg前後)/S=25kg前後(メス23kg前後)
※T=トイ/m=ミニチュア/MD=ミディアム/S=スタンダード

プードルの歴史

プードルの起源

起源についてはよく分かっていませんが、非常に古くからヨーロッパ各地に存在していました。
フランスで人気を博したことから、原産地はフランスとされています。
ただし「プードル」の語源はドイツ語の「Pudel」(=プデル:水の中でバチャバチャと音を立てる)であり、ドイツからフランスへ渡った水辺の猟を得意とした犬を祖先とするのではないかという説が有力です。

またフランスにはプードルの原型とされる「バルベ(またはバルビー)」という巻き毛の水猟犬がいます。
ショードッグ化されず、オリジナルの姿をとどめた犬で、体高は53~58cm。スタンダード・プードルの大きさとほぼ一致します。
そのため、プードルのサイズの歴史は、スタンダードから始まったと言われています。

フランスでは「Caniche」(=カニシュまたはカニシェ)と呼ばれ、「Canne(=鴨)Chien(=犬)」が語源です。
元々は鴨猟に使われていたウォーター・ドッグでした。
ちなみに現在の日本ではあまり見かけませんが、プードル独特の腰の辺りを短く刈り込んだトリミング(=クリップ)は、水の中で泳ぎやすく、また冷水から心臓を守るために生まれました。

プードルの小型化

その後、フランスやイギリスなどで小型化され、美的要素も加わり、愛玩犬となりました。
16世紀のフランスでは、上流階級の女性の間で人気が高まり、ミニチュア・サイズのプードルが作出されました。
18世紀後半、ルイ16世の時代には、トイ・プードルが作出され、ドイツを代表する文豪ゲーテの戯曲『ファウスト』の中にも、黒いプードルが登場しています。

日本におけるプードル

日本では1949年(昭和24年)に、アメリカから3頭の黒いプードルが輸入されたのが始まりです。
1999年では、JKC(ジャパンケネルクラブ)の犬種別犬籍登録数は全サイズ合わせて12,473頭、第13位でしたが、着実に飼育頭数を増やしていきました。

2000年代には爆発的な人気となり、2008年度には、それまで長らくトップにあったダックスフンドを抜き、犬籍登録数が全犬種中第1位(86,913頭)となりました。
内訳は「トイ」 85,641、「ミニチュア」 90、「ミディアム」 9、「スタンダード」 1,173であり、最も小型のトイ・プードルが大多数を占めています。
2015年以降、登録数は8万頭を切りましたが、それでも第2位のチワワと比べて2万頭以上の差があり、不動のトップを維持しています。

2017年度のAKC(アメリカケネルクラブ)では第7位(14,369頭)にランクインしており、イギリスでもミディアムを除く3タイプ合計3,462頭が登録されています。

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プードルの毛色

昔から単色であるのが普通とされてきました。
以前は、ドイツのプードルはブラウン、ロシアは黒、フランスは白とされていましたが、現在ではこれらの基本的な毛色だけでなく、パステルカラーの毛色を作り出すことにも成功しています。

JKCで認可される毛色はホワイト、ブラック、シルバー、ブラウン、ブルー、グレー、シルバー・グレー、クリーム、カフェ・オ・レ、レッド、アプリコット、ベージュ、シャンパンの13色です。単色の毛色(ソリッド・カラー)以外は失格とされます。
基本となる三原色はホワイト、ブラック、ブラウンで、これらの色を基にその他の中間色が生まれました。中間色は生後1カ月前後から退色が始まり、毛色が変化していきます。

2色の独特の模様を持つプードルも存在し、「ファントムプードル」と呼ばれています。計画的に繁殖しないと安定しません。
海外では人気があり、AKC(アメリカケネルクラブ)では2色以上の毛色の犬を「パーティ・カラー」としています。

毛色の違いにより、性格にも違いが見られると言われており、レッド(アプリコット)、黒(グレー)、白の順に気が強いとする説もあります。

プードルのサイズ

プードルは古来から飼育環境に合わせ様々に改良されてきたため、多様なサイズがありますが、FCI(国際畜犬連盟)が定めるサイズ分類は、ティーカップ・プードル以外の以下の4種のみです。

スタンダード・プードル(Standard Poodle)

体高:45~62cm/体重:25kg前後(メス23kg前後)※体重15~19kgの中型犬とも
オリジナルサイズのプードルです。
元々はレトリーブ犬として、撃ち落された鳥を回収するのに使われていました。現在は介助犬や救助犬としても活躍しています。
一番大きなサイズのプードルであることを示すために、ジャイアント・プードル(フランスではカニシュ・グラン)という呼称が流行したこともありました。

ミディアム・プードル(Medium Poodle)

体高:35~45cm /体重:18kg前後(メス15kg前後)※体重8~15kgの中型犬とも
ドッグショーにおけるプードル・クラスの過密を軽減するために、近年指定されたサイズです。FCI(国際畜犬連盟)やJKC(ジャパンケネルクラブ)では認定されていますが、KC(イギリスのザ・ケネルクラブ)やAKC(アメリカケネルクラブ)などでは認められていません。
そのため国際的に混乱が生じています

ミニチュア・プードル(Miniature Poodle)

体高:28~35cm /体重:7kg前後
スタンダード・プードルを選択繁殖によって小型化し、伴侶犬やサーカス犬として育成した犬種です。フランスではカニシュ・ナン(Caniche Nain)と呼ばれます。
1907年まではミニチュア・プードルが「トイ・プードル」と呼ばれていましたが、さらに小型の犬種が作られたため、最も小さい犬種を「トイ・プードル」とし、それまでのトイ・プードルを「ミニチュア・プードル」と呼ぶことになりました。
アメリカなどでは人気の高いサイズです。

トイ・プードル(Toy Poodle)

体高:23~28㎝/体重:3㎏前後
主にアメリカで、ミニチュア・プードルを小型化して作られました。
初期のトイ・プードルには奇形が多く見られましたが、慎重な繁殖の結果、大型プードルの長所を持つ異常のない小型版として、犬質が安定しました。
アメリカでは1943年に独立した犬種として認められましたが、イギリスでは1957年になってからです。

ティーカップ・プードル(主要畜犬団体非公認)

体高23cm以下の小さなプードルです。
犬種として正式には認められていません。
タイニー・トイ・プードルとも呼ばれ、トイ・プードルの最も小さい個体同士の交配により作られました。あまりにも小型化されたため、病気にかかりやすく、ブリーディングも難しいとされています。
一部のブリーダーはティーカップ・プードルの団体を設立していますが、小型化のために食事制限をさせたり、長期にわたって低カロリーの食事を与え続けることで、ティーカップサイズに見せかけて販売しようとする悪質なブリーダーやショップ関係者も存在します。
成長すると普通のトイ・プードルのサイズになる場合もあります。

相方
相方

プードルって小さくて可愛いイメージがあったけど、日本ではトイ・プードルが圧倒的多数だからだね!

のりまき
のりまき

元々は中型~大型の犬だったんだよ
サーカスでは今でも、昔ながらのカットをされた大きなプードルを見かけることがあるね

あず
あず

スタンダード・プードルって、あたしとほぼ同じ体重なんだね!

プードルの性格・性質

最も知能の高い犬種のひとつであり、ブリティッシュコロンビア大学の研究によると、知能の高さにおいては全ての犬種の中でボーダー・コリーに次ぐ第2位であるとされています。
活発で明るく、遊ぶことも大好きです。
賢い犬種ゆえに、物覚えもよく、しつけも入りやすいのですが、甘えん坊で神経質な一面も見られます。
警察犬や災害救助犬として、訓練次第で素晴らしい能力を発揮する例も多々見られます。
運動能力も高いので、ドッグスポーツで活躍するプードルもいます。
甘やかしすぎるとワガママになる傾向もあり、攻撃的になる場合もあるので、見た目の愛らしさに惑わされず、しつけはきちんと行う必要があります。

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プードルの特徴・ケア

巻き毛のシングルコートで、抜け毛や犬特有の体臭もほとんどありません
一方で非常に毛が絡みやすく、毛玉ができやすいため、毎日のブラッシングや定期的なトリミングは欠かせません。

元々トリミングは、冷たい水から心臓と関節を保護する目的で胸部と足首の毛を残し、他の部位は水の抵抗を受けにくいよう刈り込むという、泳ぐための便宜から生まれました。
次第にファッション化され、トリミング技術の基礎となり、今では様々なトリミングスタイル(=クリップ)が考え出されています。
一般社団法人 日本ペット技能検定協会では、32ものプードルのクリップスタイルが紹介されています。
現在の一般家庭では、全体的に均一の長さにカットする、テディベアを模したカットが人気を集めています。

活発な犬種なので、サイズに合わせた十分な運動やお散歩が必要です。
一番小さなトイ・プードルでも、家の中だけでの遊びでは不十分です。気分転換や社会化のためにも、お散歩に出かけましょう。

かかりやすいとされる病気には、膝蓋骨脱臼、進行性網膜萎縮症(PRA)、流涙症、レッグ・ペルテス・パーセス症、外耳炎、てんかんがあります。

プードル・ハイブリッド

抜け毛が少なく、アレルギーを起こしにくいプードルの特徴に着目して、両親のどちらかをプードルにして作り出された交雑犬を指します。
20世紀末に交雑犬(デザイナー・ドッグ)のブームに乗って数多く作られました。

愛玩犬や家庭犬、介助犬などとして作出されることが多く、気性が穏やかで飼育がしやすいため、初心者にも飼育しやすいとされています。
犬アレルギーにより、犬が飼えなかった犬好きの人々に大きな夢を与えました。
特に重要な意味を持たずに作られることへの強い批判もありますが、愛好家も多く、賛否両論ある犬種群です。

有名なプードル・ハイブリッドに、ラブラドール・レトリーバーとの交配から生まれた「ラブラドゥードル」があります。

のりまき
のりまき

「プードル・ハイブリッド」については、別の記事で詳しくご紹介する予定です♥

相方
相方

犬アレルギーが起こりにくいのはいいよね!のりまき犬アレルギーだもんね!

のりまき
のりまき

一時期ラブラドゥードルに期待を持ったこともあったけどね…(遠い目)

相方
相方

なっ…何があった!?

参考:
一般社団法人 ジャパンケネルクラブ「犬種別犬籍登録頭数」
一般社団法人 日本ペット技能検定協会「プードルのクリップスタイル」
『デズモンド・モリスの犬種図鑑』デズモンド・モリス/誠文堂新光社
『最新 世界の犬種犬図鑑』岡田りか子/誠文堂新光社
『日本と世界の犬のカタログ』成美堂出版
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ほか