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アクバシュ/Akbash

ア行
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別名:アクバシュ・ドッグ/ターキッシュ・ガード・ドッグ/アクバス/アックシュ・ドッグ
原産国:トルコ(テュルキエ)
※2022年6月に国名表記を「Turkey(ターキー)」から「Türkiye(テュルキエ)」に変更
区分:超大型犬
グループ:2
体高:71~80㎝
体重:40~60㎏

「アクバシュ」という犬種名はトルコ語で「白い頭」を意味しているとされますが、トルコ語で「白い鳥」を意味する「アックシュ」が訛って変化したものとする説もあります。
昔からトルコ西部で羊の群れを守ってきた純白の護畜犬です。

犬種の歴史

トルコの羊の番犬論争

Wikipedia

トルコには、大まかに東部の「カルス・ドッグ(Kars Dog)」、中部の「カンガール・ドッグ(Kangal Dog)」、西部の「アクバシュ(Akbash)」の3種の護蓄用の犬種が存在しています。
アメリカやヨーロッパのブリーダーの中には、トルコの羊の番犬には1つの種類しかないと考え、カルス、カンガール、アクバシュを「アナトリアン・シェパード・ドッグ(Anatolian Shepherd Dog)」として分類し、違いは毛色に過ぎないとする人もいました。

特にアメリカでは、「アナトリアン・シェパード・ドッグ」は1927年、トルコに駐在していた米海軍のロバート・バラード大尉が連れ帰った仔犬2頭を繁殖させた犬が基礎になっており、この犬種を確立するにあたりトルコの地域ごとに明確な3つの種があることは考慮されませんでした。
アメリカで繁殖された犬種は、今では正式にアナトリアン・シェパード・ドッグと呼ばれていますが、実際は3つの純種が存在する主要地域以外の、中間地帯に存在するさまざまな中間種の血を引いています。

一方トルコ国内では「アナトリアン・シェパード・ドッグ」という名称は知られておらず、作業犬には各地の地名にちなんだ名をつけていました。
アメリカのブリーダーは自分たちが改良してきた犬こそが真のトルコの羊の番犬であり、他の犬は単に毛色の違う変種であると主張したため、両者の間には激しい論争が起こりました。
バラード大尉も「毛色のパターンの相違を犬種の違いとするのは誤解を招く」と発言しています。

しかし1996年にトルコのコニヤ獣医学部で開かれた国際シンポジウムにて、東部、中部、西部という主な地域に、それぞれ固有の純種が存在するという合意が成立し、トルコ国外でもトルコ側の主張が認められました。

アクバシュの歴史

Wikipedia

アクバシュは千年前から存在していたとされる古い犬種です。
トルコの西に位置するギリシャ、ポーランド、イタリアなどの諸国に見られる番犬と似ており、イタリアのマレンマ・シープドッグやハンガリーのクーバースなどと繋がりがあるとされます。
白いコートは暗闇の中でオオカミと区別しやすいよう羊飼いたちが育成してきた特徴です。
主人からはとても大切にされ、2度の世界大戦の際にも地下室や倉庫に隠されたり、主人と一緒に疎開したりするなど、守り抜かれました。

1996年に羊の番犬の固有種として国外に認められたのち、2002年にはトルコ規格協会によってスタンダードが発行されました。2006年に農林省(Tarım ve Orman Bakanlığı)によって公認され、公認在来品種としてリストに追加されました。
トルコの犬種協会であるKöpek Irkları ve Kinoloji Federasyonuの保護下にありますが、FCI(国際畜犬連盟)には公認されていません。

現在ではトルコ以外にもアクバシュの犬種クラブが設立され、アメリカに本部を置くアクバシュ国際協会が北米その他の地域で積極的に保護・推進しています。
アメリカでは家畜をコヨーテから守るために使われることがあります。

あず
あず

アナトリアン・シェパード・ドッグとカンガール・ドッグはそっくりだけど、アクバシュとは全然似てないね

のりまき
のりまき

アナトリアンの改良の過程で、カンガールの純種との大規模な交配が行われたからだけど、ショーにも出場するアナトリアンの方が全体的に洗練されているよ

犬種の特徴

Wikipedia

羊や羊飼いをオオカミなどの捕食動物や泥棒から守るのが役目で、牧羊の能力はありません。
冷静で状況判断がよい反面、家族思いで甘えん坊な一面があり、幼い頃から羊など家畜と一緒に育てて家畜を家族と認識させ、外敵から守らせる牧畜番犬として育成します。

垂れ耳で脚と尾が長く、脚には多くの飾り毛があります。尾はふさふさとした垂れ尾です。
被毛はダブルコート。ロングコートとショートコートの2タイプがあります。毛色は通常はホワイトですが、ビスケットのようなベージュの個体も存在します。

非常に愛情深く家庭犬としても向いていますが、留守番は苦手です。また防衛本能を抑える訓練が必須となります。
超大型犬で力もかなり強く、運動量も豊富なので、初心者や都会での飼育は難しいでしょう。
JKC登録はありません。

あず
あず

仔犬の頃から一緒にいた家畜とは絆が生まれ、交配や出産の時も離れたがらないほど家族を愛し、献身的だと言われているよ!

のりまき
のりまき

体重はあずの倍以上か…脚の長さも倍あるかもね?

あず
あず

あたしは むっちりもっちり が身上なもんでねぇ!

※2024/09/03 一部誤りなどを訂正し加筆しましたが、参考文献によって内容が異なる場合があります