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犬に与えてはいけない食べ物~ナッツ~

わんこのトリセツ
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シリーズ化した「犬に与えてはいけない食べ物」。今回は「ナッツ」です。
「生食」は生で与える場合「加熱」は何も加えず火を通して与える場合です。
ナッツの場合は、犬が食べてもある程度は安全であると言えるのは、調理していない無添加のナッツです。
油脂で揚げたり、塩や砂糖を加えたり、飴がけにしたりしてあるものはNGです。
「ピーナッツ」は、実はマメ科植物の種子ですが、ナッツとしてのイメージが強いので、「ナッツ」に分類しました。

絶対に与えてはいけないナッツ

犬に絶対に与えてはいけない危険なナッツです。
基本的にナッツは、消化不良を起こしやすく、犬に与える必要はない食品です。
特にこの項のナッツを口にした場合は、どれくらい食べたかにもよりますが、目を離さず、心配な時は動物病院の受診をお勧めします。

食品 生食 加熱 注意点
ぎんなん × × 中毒を起こすアルカロイドを含むため与えない
糖分・食物繊維も多いため、腸内環境も悪くなり、下痢や腹痛の原因につながる
ピーカンナッツ
ペカンナッツ
× × ジュグロンという中毒物質が含まれる
胃腸障害を引き起こすおそれがある
マカデミアナッツ
マカダミアナッツ
× × 「マカダミアナッツ中毒」という病名が存在するほど危険なため絶対に与えない
摂取した場合、数時間以内に中毒症状を起こす
虚脱・嘔吐・運動失調・後肢不完全麻痺・震え・発熱などの症状が出る

もし愛犬が、これらのナッツを口にしてしまったら、取り出せるようであれば、飲み込む前に取り出します。
ただ犬は、自分の口に入れたものは自分のものであると判断するようです。
飼い主が大声を上げたり慌てて取り出そうとしたりすると、急いで飲み込む可能性もあります。また驚いて喉に詰まらせてしまうかもしれません。
落ち着いて対応しましょう

マカダミアナッツは絶対に与えない

マカダミアナッツ(マカデミアナッツ)は、「マカダミアナッツ中毒」という病名が存在するほど、犬にとっては危険なナッツです。

摂取量にもよりますが、12時間以内に虚脱・嘔吐・運動失調・後肢不完全麻痺・震え・発熱などの中毒症状が現れ始めます。
特に後ろ脚の脱力が顕著であると言われます。
48時間程度で症状は治まるとされますが、重症の場合は命に関わります。絶対に与えないようにしましょう。

マカダミアナッツチョコレートは、犬にとっては、身近にありながら死の食べ物とも言えます。室内飼いをしている飼い主さんは、盗み食いなどされないよう、厳重に管理しましょう。

あず
あず

ちなみに明治が実施した「アーモンドorマカダミアあなたはどっち派 国民調査」ではマカダミアチョコが勝利~♪

犬が危険なナッツを食べた時の症状

食べてから、早くて1時間から12時間ほどで中毒症状が現れ始めます。
主な症状としては下痢・嘔吐・けいれん・発熱・運動失調(起立・歩行時のふらつきなど)・脱力などがあります。

えずいたり、排便時にお腹を丸めたり、お尻を痛がったりする場合は、消化不良を起こしている可能性があります。
ナッツは食物繊維が豊富なうえ、非常に硬いので、消化不良を起こしやすいのです。

中毒症状か消化不良か、いずれにしても、素人が見分けることは難しいので、異常が見られたら動物病院を受診しましょう。

症状が出た時の対処

食べたナッツの種類と量を把握しておきます。
自己判断で吐かせたりはせず、動物病院を受診してください。
一般的には1~2日程度で症状は治まるとされています。

ナッツの中毒症状に対しては、原因が解明されておらず、今のところ有益な治療法や解毒剤はありません
動物病院でも、胃や腸のチェックをしたり、摂取直後や大量摂取の場合は催吐(吐き出させる)処置などが行われますが、基本的には水分補給の点滴を行う対症療法がとられるようです。
とはいえ、嘔吐は腸閉塞などが原因であることもあり、その場合は獣医師による処置が必要になりますので、素人判断はせずに、異常が見られたら早めに受診する方が安心です。

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あまり与えない方がよいナッツ

こちらでは、あまり与えない方がよいナッツをピックアップしてみました。
重篤な中毒症状は今のところ知られていませんが、消化不良などを起こしやすいナッツです。

食品 生食 加熱 注意点
アーモンド   中毒物質は含まれていないが、硬いため消化に悪く下痢や嘔吐を引き起こす原因になる
小型犬が噛まずに飲み込んだ場合、気管に詰まらせてしまう危険がある
塩・砂糖・油で味つけしたものは与えない
くるみ   たんぱく質・ビタミンEを豊富に含む
脂質が多いため、与えすぎに注意
古いものにはカビ毒が含まれることもあり、中毒を起こす場合がある
ピスタチオ   消化不良を起こしやすい
殻つきのものは絶対に与えない
カリウム・リンが豊富なので、腎臓病を患っている犬には注意が必要
松の実
パインナッツ
  脂質・リンが豊富に含まれるため、肥満のリスク、腎臓の弱い犬のには大きな負担になる
高齢犬や腎臓が弱っている犬には与えない

アーモンド・くるみ・ピスタチオは、特に消化の悪いナッツなので、少量でも下痢などの症状が出る可能性があります。
松の実・くるみ・ピスタチオなどは、リンを豊富に含み、リンの過剰摂取は尿路結石や腎結石を招きます。特に腎臓の悪い犬や老犬には注意が必要です。

与えてもよいナッツ

基本的にナッツは与えることを推奨される食品ではありませんが、ここでは少量であれば害はないとされるナッツをご紹介します。

食品 生食 加熱 注意点
カシューナッツ × オレイン酸・ビタミンB1を豊富に含む
ナッツの中では比較的低カロリーで安全性も高い
生のカシューナッツは有毒のため与えない
× デンプン・ビタミンを含み、エネルギー補給によい
渋皮を取り除いて細かく刻んで与える
ごま   ごませんべい・ごまドレッシングなど人間用の加工食品は犬に与えない
与える場合はすりごまにして、フードにまぜたり振りかける
酸化しやすいため、直前にするのが望ましい
ピーナツ   中毒物質は含まれず、ナッツの中でも比較的安全性が高い
塩や油で味つけしたものは与えない
皮は消化できないので必ずむいて与える
ヘーゼルナッツ   オレイン酸・ビタミンE・食物繊維が豊富で安全性も高い
皮膚・胃腸の健康維持、アンチエイジング効果も望める
粒が大きいため、必ず砕いて与える

カシューナッツ

安全性が高いとされるナッツです。
皮膚によいとされるオレイン酸・ビタミンB1を豊富に含みます。
またカロリーが高いナッツの中では、比較的低カロリーなので、肥満になりにくいという利点もあります。
ただし生のカシューナッツは、犬にとって有毒なので、必ずローストしたものか炒ったものを与えます。
カリウムが豊富なので、腎臓病やホルモン系の疾患を抱えている場合には、与えない方が無難です。

ヘーゼルナッツ

犬にとって毒性がないナッツとされています。
皮膚によいとされるオレイン酸・ビタミンE、また食物繊維が豊富です。
アンチエイジングにも効果が見込めるとする意見もあります。
ただしヘーゼルナッツは1粒が大きいので、丸のみすると喉や腸に詰まる可能性があります。砕いて与えましょう。

ピーナッツ,落花生

比較的安全性が高いとされています。
リノール酸・オレイン酸など皮膚によいとされる油脂が含まれており、少量であれば、犬にとって健康によいと言われています。

成分の半分が脂質のため、与えすぎは肥満の原因となります。
またミネラルやマグネシウムも含んでいるので、過剰摂取による結石も心配です。
他のナッツと同様、決して消化のよいナッツではないので、与えすぎには注意しましょう。

殻や薄皮は消化できないので、必ず剥いて与えます。
もちろん、柿の種のピーナッツやバタピーなど、味つけしたものは与えてはいけません。

ピーナッツといえば、人間の重篤なアレルギーが知られていますが、犬にもピーナッツアレルギーが存在します。
ピーナッツを食べた後、身体をかゆがったり、皮膚の一部が赤くなったり、下痢や嘔吐をしたりといった症状が出た場合は、ピーナッツアレルギーの可能性があります。
与える場合には、最初はごく少量にして様子を見た方がよいでしょう。アレルギー体質の愛犬には、与えない方が無難かもしれません。

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中毒となるナッツの量

犬がナッツを食べて、中毒症状が現れるとされる量は、体重1kgに対して2.2gほどとされています。
ナッツ1粒はおよそ1~2gなので、5kgの小型犬であれば2~5粒ほどで症状が現れます
個体差があるので、症状が出ない犬もいれば、もっと少量でも中毒症状が現れる犬もいます。
1~2日程度で自然に治まるとされていますが、誤嚥や腸閉塞の可能性もあるので、異変が見られたら動物病院を受診しましょう。

ナッツによる犬の死亡例は、今のところ報告されておらず、致死量についてはよく分かっていません。

のりまき
のりまき

犬界ではメジャーになりつつあるけど、犬のぶどう中毒も最近になって判明したから、何が犬にとって危険な食べ物か、まだ分かっていないものも多そう

相方
相方

結局「人間の食べ物は最初から与えない」のがいちばんだね!

まとめ

繰り返しになりますが、基本的に、ナッツを含む人間の食べ物は、犬に与える必要はありません。
人間がふつうに食べているものでも、犬には有害になる食べものは結構あります。
特にナッツは高脂質・高カロリーな上に、アレルギーの心配も大きく、犬に与えるべき食品ではないと個人的には考えます。

ただ、愛犬のおねだりがかわいくてあげてしまう時などに、何を与えてよいのか。また愛犬がうっかり口にしたり、盗み食いをしたりしてしまった時に、何を食べてしまったか、飼い主さんが把握しておくことは大切だと思います。

相方
相方

「食べ物を出しっぱなしにしない」とか「人間の食べ物は与えない」とか、飼い主が気をつけてやらなきゃね

あず
あず

犬は目の前に食べ物があれば食べちゃうからね~

参考:
わんちゃんホンポ『犬が食べてはいけないもの一覧』
ワンペディア『犬に与えてはいけない危険な食べ物【獣医師が解説】』
hotto『【獣医師監修】犬がピーナッツを食べても大丈夫?アレルギーや中毒性は?殻や薄皮はダメ?』
子犬のへや『犬の食事』
docdog『犬×食べ物を知る!』
PetSmilenews『犬にとって危険なナッツとは?ピーナッツやピスタチオはどう??』
Ton’s Café『意外と知らない「ピーナッツ」と「ナッツ」の違いについて』
わんわん倶楽部『ペットの健康コラム』
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ほか