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『旅人検視官 道場修作』愛知県蒲郡・西浦温泉殺人事件

映画・ドラマ日記
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作品情報

タイトル:旅人検視官 道場修作
監督:柿原 利幸
脚本:安井 国穂 村川 康敏
制作:BS日テレ ユニオン映画
放送枠:令和サスペンス劇場
上映時間・放送時間:全5回(各115分)
ジャンル:サスペンス,旅情ミステリー,トラベルサスペンス
個人的評価:★3.5 /5.0
※出演者は「登場人物」を参照

主な登場人物(出演者)

主人公

道場 修作(内藤 剛志)
66歳。元警視庁検視官。
定年後は亡き妻・由美子の趣味だった俳句ゆかりの地を巡る旅をしている。

ヒロイン

瀬川 木綿子(いしの ようこ)
51歳。三河木綿 織物職人。
夫・浩一郎、智也とは昔なじみで、ともに和子の弟子。

三河木綿関係者

沢松 智也(河相 我聞)
沢松繊維 代表取締役。和子の元弟子。
手織りにこだわる瀬川工房から独立して機械織りの沢松繊維を立ち上げた。

瀬川 浩一郎(村上 新悟)
51歳。木綿子の夫。和子の息子。
手織り三河木綿製作・瀬川工房代表。
機械織りに転じた上に、木綿子のデザインや瀬川の名前を使いたがる智也と対立。

瀬川 和子(藤田 弓子)
三河木綿 織物職人。浩一郎の母。木綿子の義母。

警察関係者

柏木 翔平(入江 甚儀)
鶴岡中央警察署 鑑識係主任。
現役時代は伝説の検視官と呼ばれた道場に憧れ、師と仰ぐ。

遠山 美里(ユリ)
蒲郡中央警察署 鑑識係。
上原から「お嬢」と呼ばれ、一人前に扱われないことに反発している。

上原 忠義(阪田 マサノブ)
蒲郡中央警察署 刑事課係長。
悪気はないが美里を「お嬢」呼ばわりして軽んじる。

その他

横田 光也(伊東 孝明)
54歳。アパレル会社・横田デザイン社長。
融資の担保に瀬川の名前を寄越よう木綿子に迫っていた。

中原 理香(金沢 雅美)
沢松繊維 社長秘書。

田向 静代(あめく みちこ)
海辺の文学記念館 館長。
高浜虚子、河東碧梧桐について道場にレクチャーする。

あらすじ

元は警視庁検視官だった道場(内藤剛志)は定年後、亡き妻の日記を携えて、生前には果たせなかった旅行に出かけ、妻の趣味だった俳句にまつわる地を巡っている。第2弾は高浜虚子ゆかりの愛知県蒲郡(がまごおり)を旅する。

木綿子との出会い

名鉄蒲郡(がまごおり)線から宿泊先の西浦温泉「ホテルたつき」に到着した道場。
竹島海岸を散策して神社に参拝。海辺の文学記念館で高浜虚子の展示を眺めた後、言い争う男女を見かけて止めに入った。

捨て台詞を吐き退散した男はアパレル会社、横田デザインの社長・横田。女性は「瀬川木綿子(いしのようこ)」と名乗り、三河木綿の職人だという。
今回の旅の目的の1つが「亡き妻とお揃いの三河木綿のエプロンを購入する」ことだった道場は木綿子と意気投合。工房を見学させてもらい、明日から開かれる展示会にも招かれた。

横田の転落死

翌朝、海岸の崖から横田が転落死しているのを道場と木綿子が発見。
遺体の左手には刃物で切られたような創傷があり、後頭部には致命傷と思われる傷があった。

蒲郡中央署の刑事課係長・上原(阪田マサノブ)は「足を滑らせたか覚悟の自殺か」と結論を出しかけたが、鑑識係の「お嬢」こと遠山美里(ユリ)は、道場の助言を受けて他殺であると気がつく。

横田と木綿子が言い争った際の目撃証言があり、木綿子に事情聴取が行われる。
横田デザインは瀬川工房に融資しており、担保に江戸時代から続く瀬川の名前を寄越すよう迫られていたと木綿子は説明。
なお横田の死亡推定時刻である午後10時には、木綿子は展示会の準備を終えて帰宅、工房にいたという。

さらに警察は、瀬川工房を巡り横田デザインとライバル関係にあった沢松繊維に目をつけ、社長の沢松智也(河相我聞)にも事情聴取を行うことに。

弟子2人

つい助言をしてしまったことで、美里に弟子入りを希望される道場。
おまけに前回旅した山形県で出会った、鶴岡中央警察署の鑑識係・柏木翔平(入江甚儀)までもが道場を追って蒲郡に現れる。

「事件には興味がない」「今の俺はただの旅人だ」と素っ気ない道場だが、三河名物に釣られて何かと2人にまとわりつかれる。

あず
あず

一色鰻、おいしそうだった!

のりまき
のりまき

蒸さずに直接焼くから、身に歯ごたえがあって皮がパリッとして柔らかいんだって💛

あず
あず

てかミッチー名物に釣られすぎじゃない?

のりまき
のりまき

み、ミッチー!?

高浜虚子と河東碧梧桐

道場が金剛寺で高浜虚子の名句が刻まれた百句塔を見学していると、散歩中の瀬川和子(藤田弓子)と遭遇。
和子は自身の息子・浩一郎(村上新悟)と智也の2人を、高浜虚子と河東碧梧桐になぞらえる。

海辺の文学記念館館長・田向(あめくみちこ)によれば、虚子も碧梧桐も正岡子規の弟子で高校時代からの親友だったが、伝統的な虚子と革新的な碧梧桐は俳句を巡って対立。さらに碧梧桐の恋人だった女性が虚子の妻となったことからも確執があったとされる。

あず
あず

親友同士で妻や恋人を…という文豪は、谷崎潤一郎と佐藤春夫の「細君譲渡事件」が有名

のりまき
のりまき

ついでに佐藤春夫の姪・智恵子と結婚した三好達治は、元婚約者の萩原アイ(萩原朔太郎の妹)が忘れられず、妻子を捨てて再婚

のりまき
のりまき

ついでに蒲郡市のお隣の西尾市出身の尾﨑士郎は、宇野千代と不倫からの略奪婚(婚姻期間は約7年)かましてます

和子の転落死

横田と同じ崖から転落した和子の遺体が発見され、左手の創傷、後頭部の傷も共通することから、同じ犯人による連続殺人が疑われる。

死亡推定時刻である一昨日の午後9時半頃、智也は上原に事情聴取を受け、木綿子と浩一郎は展示会場から帰宅したところを見張りの刑事に確認されていた。

名コンビ?

道場が左手の防御創にこだわる柏木につきまとわれていると、海岸線でルミノール反応検査をしている美里と遭遇。

横田も和子も死後に崖から突き落とされており、殺害現場は別の場所と見られたが、和子の靴底には生きたあさりの稚貝が挟まっていた。和子が海岸を歩いていたと推測した美里は、海岸線を手当たり次第に検査しているという。

和子がいたのは竹島周辺のトンボロ干潟ではないかという道場の助言を受け、美里は干潟に対象を絞った。予備の装備を借りて柏木も参戦。ついに和子が転落した本来の現場を発見する。

あず
あず

トンボロって何?

のりまき
のりまき

干潮時に陸地と島を結ぶ道(砂州)が現れて、歩いて渡れるようになる地形や自然現象のこと

のりまき
のりまき

イタリア語の「tombolo(砂州、砂の小山)」に由来していて、日本語では「陸繋砂州(りくけいさす)」というらしいよ

真相

あず
あず

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横田と和子が転落した崖に白い花束を持って現れた木綿子。
そこへ真相にたどり着いた道場、さらに浩一郎と智也もやってくる。

横田が死亡した夜、瀬川工房を訪れた横田は木綿子に瀬川の名前を使わせるか、融資した800万円をすぐに返すか突きつけてきた。
その上、下心丸出しで木綿子に迫ったため、とっさに裁ち鋏で振り払い、横田の左手に傷を負わせたという。

さらに揉み合いの末、突き飛ばされた横田は後頭部をぶつけて死亡。
そこへ帰宅した浩一郎が、先の長くない母・和子のため木綿子を説得し、遺体を崖に運んで転落死に見せかけた。
後日、木綿子は鋏を海岸に捨てに行ったが、すべてを知る和子に言われて鋏を渡した。

和子は智也に自分が自殺した後の偽装を頼んだが反対され、いったんは諦めた様子だったが、智也が事情聴取を終えた直後に電話をかけ、半ば無理やりに始末をさせたのだった。
謝る智也に「つらい思いをさせた」と返す浩一郎。

道場は木綿子がエプロンの生地を裁つ時に、先々代から引き継がれたという大切な裁ち鋏が違うことに違和感を持ったと説明。
黙っていてくれるよう智也が道場に頼むも、木綿子は智也の手から鋏を取り上げ、警察に行くことを選んだ。

今回の俳句

ホテルをチェックアウトした道場は、最後に徳川家康が生まれた岡崎城を訪れる。
城内のベンチで句をひねる道場。

三河もめん エプロンの香や 龍ヶ城
「あっ、また季語がない」

感想

浅知恵の悪循環

今回は、最初の段階で素直に通報すればよいものを、なぜか明後日の方向から素人臭い隠蔽に走り、よせばいいのに別人が余計な庇いだてをしてさらなるドツボという、サスペンスあるあるの王道パターン。
合理的でも理論的でもない上に、個人的には感情的にも理解できず、まったく共感できない。
愚かな親心は分からなくもないが、浩一郎と智也を「2人の息子」と言うわりには、結局は息子と嫁のために他人の智也に犯罪の片棒を担がせるのは、勝手すぎませんかね?

筋は単純すぎずに楽しめた。
裁ち鋏やあさりの稚貝など、ご当地サスペンス小道具の取り入れ方はよかったし、柏木と美里の2人もいい味を出していたと思う。

ファッションチェック

顔の絵文字「素材屋405番地」http://sozaiya405.chu.jp/405/

今回の道場は黄色のセーターが印象的。
前回は濃いオレンジ色だったので、回ごとにメインカラーを変えているのかもしれない。

他は起毛生地のダークブラウンのハーフコートにカーキのパンツと、セーターの黄色を効かせたなかなかお洒落な出で立ち。
今回はショルダーバッグに加えて、小ぶりなカーキグレーのスーツケースを持参。
基本的には道場カラーはカーキ系のよう。

個人的にはスーツ姿しか見たことのない内藤剛志には半そでのイメージがないが、真夏はどうするのかしら。
アロハシャツやかりゆしウェアなら似合いそうだが、Tシャツは一気に老けて見えそうで次回以降が心配になってくる。

数々の三河グルメ

道場が宿泊した「ホテルたつき」の夕食&朝食、展示会が行われた「姫宿 花かざし」の食事処「浮舟亭」の舟盛りなど豪華なお宿料理は圧巻。

西浦温泉 龍城(たつき)https://www.tatsuki-aoi.com/dish/

「ホテルたつき」は三河の旬の食材を使い、徳川家康にちなんだ料理が出されるよう。
画像とは異なるが、道場が頂いた夕食は「家康御膳」という「健康によいものだけを食した家康公らしい」と道場が称するわりにはかなり豪華な膳物。
ニンニクをつけて串揚げにした鯛の天ぷらは、道場同様、自分も初めて見る料理で、味の想像がつかない。道場は絶賛していたので、美味しいのは確かなのだろう。

「浮舟亭」では、瀬川親子に道場が誘われて食事を一緒にするという流れだったので、昼食にそこそこの御膳でも出てくるのかと思ったら舟盛りがデーン。
それもそんじょそこらの舟盛りではなく、デンファレなどとりどりのお花があしらわれ、2~3段重ねになった、もはや戦艦盛りとでも呼ぶべき豪華絢爛なもの。
こちらは三河の名物、深海魚のお刺身。浩一郎によればキンメダイ、ノドグロ、アカザエビ、タカアシガニなどで、深海魚は鮮度が落ちるのが早く、刺身にできるのはこの近辺に限られるとのこと。
もちろん他の料理も並べられていたのだが、食事を始めてすぐに智也が現れて浩一郎と口論になってしまい、料理そっちのけになって堪能できなかったのは非常に残念だった。
おのれ我聞め(違う)。

あず
あず

オーナーがゴーシのファンだったりして?

のりまき
のりまき

そうかも。ドラマ撮影用を超えた豪華さだったよね

温泉&グルメに関しては、普段は大して興味もないというのに、どうしてこうも惹かれるのか謎ですらある。
日本人のDNAに組み込まれているのかと思うほど抗いがたいものがある。

美里に案内された地元の名物「めんるい食堂 清田庵」の蒲郡(ガマゴリ)うどん、「うなぎ処いっしき」の一色鰻もおいしそうだった。
恒例になりつつあるのか、今回も柏木が道場の部屋に地酒「尊皇」と名産品を持って現れたが、そちらは今回もそそらなかった。

あず
あず

「花かざし」には保護猫カフェ的な施設があるらしいよ!

のりまき
のりまき

おっ、それは行ってみたいね!けどあずがいるうちは無理かな…

相方
相方

犬嫌いが直らないと、ペットと泊まれる宿すらも行けないよね

あず
あず

ご、ごめんよ…えーと…じゃあ無料おうちドッグカフェはどう?

夫のことばかり日記

道場が携えている妻・由美子のノートには、俳句も含め道場のことばかり書いてあるが、第2弾ともなると少々鼻につくのは自分の心が汚れているせいだろうか。

だって他にも書くことはいろいろあるでしょうよ。
それこそ身体の不調とか俳句教室の様子とか。
いくら仲がよくたって、仕事ばかりで帰ってこない&旅行にも一向に連れていってくれない夫に多少の不満や愚痴は出てくるものじゃないの?

ああ、そうか。
現役時代は多忙にかまけて妻を顧みることのなかった道場が、実際は1人で観光を楽しんでおいしいものを食べているだけなのに、グラスを2つ用意してもらったりして妻孝行している気になっていることにモヤモヤするんだな。
それを妻が道場を過度に持ち上げるような内容ばかり書いてたり、他の登場人物が「妻に愛されていたいい夫」扱いしたりすることで、道場が手放しで肯定されているように感じられ、少々胡散臭くなっているのだろう。

自分としては「よくできた奥様」「そういう夫婦関係もあるんだろう」とは思うものの、元来のひねくれ者ゆえか「でもキレイゴトすぎ」「いい奥様通り越して嘘っぽい」と苦笑いが出てくる。

わんこ柏木の再来

今回の弟子は女の子かと思ったら、中盤辺りで突如出てきた柏木。
期待を裏切らない男である。

道場と酒盛りしようとやってきて、道場が試着していた木綿子に作ってもらったエプロンを「そのエプロンいいですね。通販ですか?」と言い放ったのには大笑い。
さすが柏木。抜群の無邪気さである。
人によっては無神経とも言うが、わんこキャラの柏木は何とも言えない愛嬌があり、憎めない。

道場を巡って美里と2人つんけんしている様子は、飼い主の寵愛を競うわんこ&にゃんこのようで微笑ましい。
一緒にルミノール反応検査をしている時の、干潟に黒い四角のテントが2つ並んで何倍速かでちょこちょこと移動していくシーンはかわいくてほっこり💛

虚子より家康

虚子の句も幾つか出てきたし、登場人物の関係を高浜虚子と河東碧梧桐になぞらえたりと第1弾に比べてゆかりの俳人色は濃かったが、どちらかといえば徳川家康の方が印象に残るかもしれない。
いや強いよね家康御膳と岡崎城。

高浜虚子と河東碧梧桐について、師の正岡子規は2人について「碧梧桐は冷やかなること水の如く、虚子は熱きこと火の如し、碧梧桐の人間を見るは猶無心の草木を見るが如く、虚子の草木を見るは猶有上の人間を見るが如し」と評している。

あくまで表層的にだが、虚子と碧梧桐どちらがというと個人的には虚子の句の方が好きだ。
虚子の代表的な句としては「去年今年貫く棒の如きもの」「桐一葉日当りながら落ちにけり」など挙げられるが、その中でも「春風や闘志抱きて丘に立つ」「吾も亦紅なりとひそやかに」の2句は影響を受けた好きな句である。

作中に出てきた、虚子が碧梧桐の死に際して詠んだ「たとふれば独楽のはぢける如くなり」にも改めて感銘を受けた。
積み重ねられた歳月に愛憎と恩讐が織り混じる複雑な心境と、認めざるを得ない後悔が垣間見えるように思われる。
あまり詩歌の類いは鑑賞しないが、この機に虚子の句に親しんでみようか。

あず
あず

まさかのサスペンス劇場から俳句の世界へ!?

のりまき
のりまき

虚子は元々わりと好きだったもんで