別名:四国犬(Shikoku-ken,Shikoku-inu)/高知犬
原産国:日本
区分:中型犬
グループ:5
体高:オス49~55㎝/メス46~52㎝
体重:オス17~23㎏/メス15~18㎏
四国地方(主に高知県)原産の中型犬です。
骨格の特徴から弥生犬をルーツに持つとされます。
山岳地帯で番犬、イノシシやシカを狩る狩猟犬として使われてきました。
「阿波系」、四万十川源流周辺の「幡多(はた)系」、石鎚山付近の「本川系」などが存在し、「本川系」が最も純粋な血統を残していました。
1937年(昭和12年)6月15日に文部省(現・文部科学省)により、「土佐犬(とさけん)」の名で国の天然記念物に指定されました。
しかし「土佐闘犬」と混同しやすいことと、土佐(高知県)以外にも存在していたことから、1939年(昭和14年)頃から「四国犬」と呼ばれるようになりました。
1本の毛が2色で成り立ち、毛先が黒いため、胡麻毛と呼ばれる独特の毛色を持ちます。
黒っぽい「黒胡麻」、赤茶色っぽい「赤胡麻」と呼ばれる毛色もあります。
換毛期にはこまめなブラッシングが必要です。
獲物を追い山を駆け抜けていた犬なので、体力・持久力ともあり、運動神経も優れています。
イノシシ猟をする犬ならではの身軽さと俊敏さを持ちます。
ケガや病気も少なく頑健。
日本の気候にもよく適応しており、ダブルコートで全天候型です。
日本犬の中で最も素朴な風貌と評されることもある、猟犬らしい精悍で野性味ある表情をしています。
ニホンオオカミと交配させたとの伝承もあり、特に口唇部が白色の犬はオオカミと外見が似ており、ニホンオオカミの目撃情報の際、見間違いの候補として挙げられやすい犬種です。
飼い主には忠実で、一度心を通わせると一生懸命に作業をしてくれます。
ただし警戒心が強いので社会化が重要であるほか、飼い主がきちんと境界線を引きリーダーシップを持つことが必要です。
都会での飼育、また初心者が飼うには向いていません。
何度も絶滅が危ぶまれ、現在は「日本犬保存会」によって保存活動が行われています。
四国犬専門のブリーダーによると、2023年に日本で生まれた四国犬の仔犬は175頭。その大半が血筋を残さない環境に行ってしまいます。
また高齢化により引退する犬舎も多く、貴重な犬種になっています。
JKC登録数は、1999年では15頭。秋田455頭、甲斐79頭に及ばず、紀州30頭の半数でした。
2000年から長らく1桁台が続き、登録が1頭の年もありました。
2017年に初めて20頭を超え、2020年まで20頭前後をキープしていましたが、2022年には72頭の登録があります。
柴犬より少し大きいくらいのサイズです
猟が衰退した今となっては、種の保存が難しい犬なんだろうね