PR

『INFORMA』

映画・ドラマ日記
この記事は約14分で読めます。
Sponsored Links

「ジャンル」は鑑賞媒体によるもの、もしくは独断により分類しました。
記事内の画像はすべてイメージ画像です。実際の映像とは関係ありません。

作品情報

タイトル:INFORMA
監督:藤井 道人、逢坂 元、曽根 隼人、林田 浩川
脚本:酒井 雅秋、澤口 明宏
原作:沖田 臥竜
制作:関西テレビ
公開: 2023年1月20日 – 3月24日
放送:関西テレビ
放送時間:全10話(各30分)
ジャンル:クライムサスペンス
個人的評価:★4.5/5.0
※出演者は「登場人物」を参照

主な登場人物(出演者)

主人公

木原 慶次郎(きはら けいじろう)/桐谷 健太
40歳。元・二代目西宮会若頭補佐。
現在は社会・政治・芸能などあらゆる分野に精通する情報屋、都市伝説的な存在“インフォーマ”として知られる。

三島 寛治(みしま かんじ)/佐野 玲於(GENERATIONS)
中堅出版社の実話系週刊誌「タイムズ」の記者。
木原から指名され取材する機会に恵まれるが、連続殺人事件を追うことになる。木原には「ポンコツ」と呼ばれている。

週刊タイムズ編集部

長澤 あすか(ながさわ あすか)/MEGUMI
編集長。木原とは前々からの知り合い。

箱崎 徹(はこざき とおる)/山中 崇
三島の先輩にあたるベテラン記者。通称「ハコさん」。
取材についていけなくなった三島の後任を買って出るが、抗争に巻き込まれ重傷を負う。

謎の集団

冴木 亮平(さえき りょうへい)/森田 剛
42歳。石上の指令で香港から帰国。連続殺人を請け負う。
長いコートを羽織った黒づくめの服装。寡黙で裏切りを絶対に許さない。
児童養護施設出身で、石上に引き取られ彼の養子となり「石上ハウス」に入った。

岡林 秀樹(おかばやし ひでき)/田島 亮
冴木の仲間。主に情報収集やシステムハックなどを担う。
スリムな長身に眼鏡をかけ知的な雰囲気だが、戦闘能力も高い。
冴木と同様、「石上ハウス」の出身者。

キム・サンイル/一ノ瀬 ワタル
冴木の仲間。巨漢で暴力を好み、荒事を担当。
木原の拷問にも落ちなかったが在日三世である素性を突き止められ、母親を盾に脅されて口を割る。
冴木、岡林と同様、「石上ハウス」の出身者。
なお演じた一ノ瀬ワタルは元プロ格闘家で、主演の桐谷健太とは親友の間柄とのこと。

警察関係

丸山 克次(まるやま かつじ)/高橋 和也
警視庁組織犯罪対策課の刑事。
木原や長澤とは捜査情報を融通しあう関係。

水越 文明(みずこし ふみあき)/西村 元貴
警視庁組織犯罪対策課の刑事。丸山の後輩。

半グレ&暴力団関係

河村 恭介(かわむら きょうすけ)/淵上 泰史
「六車連合」の組長。木原を兄と慕う。
キムを捕らえた報復に冴木一味に拉致され、キムとの人質交換に使われる。

瀧澤(たきざわ)/千葉 哲也
関東最大の暴力団・瀧澤組の組長。冴木一味のターゲットとして資料が残されていた。
木原から冴木たちをおびき寄せる作戦を持ちかけられ承諾。

相田(あいだ)/般若
瀧澤組の若頭。喧嘩っ早く忠誠心が厚い。
最初は木原や六車連合と反目していたが、組長が冴木一味に拉致されたことが判明して共闘する。

ナナ/北 香那
歌舞伎町のキャバ嬢。幼い娘を育てるシングルマザー。
木原を「パパ」、三島を「ポンコツ2号」と呼び、エスとして木原や河村に情報提供を行う。

河村 愛之介(かわむら あいのすけ)/横浜 流星
河村恭介の弟。「ポンコツ」1号。ナナの事実上の夫。
木原に心酔しており、5年前に木原が情報屋を始めると運転手・助手を務めたが、冴木たちと遭遇した際に食い下がって挑発したため殺される。

その他

石上 兼人(いしがみ けんと)/石橋 蓮司
元・国土交通大臣。常に車椅子、酸素吸入器をつけている。
かつて児童養護施設を支援しており、冴木たちに父と慕われる。
火だるま事件に関して長澤が用意した資料のリストに名前があり、動機がないことから除外されかけたが、三島が調査を行うことになる。

川俣(かわばた)/宮川 一朗太
石上の秘書。冴木たちとの連絡、依頼を行う。

内容紹介

芸能ゴシップの取材ばかりで萎える週刊誌の記者・三島(佐野玲於)は、編集長・長澤(MEGUMI)の指示で伝説の情報屋・木原(桐谷健太)を尼崎まで迎えにいく。
待っていたのは、どう見てもカタギではない男。
木原は三島を運転手に指名し、三島は訳も分からぬまま取材と称した渦中に巻き込まれていく。

まず国土交通副大臣が冴木(森田剛)たち謎の集団に新宿の繁華街で殺害された。
次は建設会社の常務取締役が視察に訪れた建設現場で、いずれもガスマスクを被せられた上で火をつけられ、火だるまになって焼死という凄惨な殺され方だった。
第3のターゲットが瀧澤組の組長(千葉哲也)と掴んだ木原は、瀧澤自身を囮にして冴木一味をおびき出す作戦を持ちかけた。

木原の読み通り現れた冴木たちとの乱闘の末、冴木一味のキム(一ノ瀬ワタル)を捕らえることに成功。河村(淵上泰史)と木原はキムを痛めつけ情報を得ようとするが口を割らない。
三島はその様子もカメラに収めるよう木原に指示されるも、たまらず逃げ出してしまう。

瀧澤の捕獲に失敗し、キムも奪われた冴木は報復として河村を拉致。
あるレストランで河村とキムの身柄を交換することになり、使い物にならない三島の代わりに先輩記者の箱崎(山中崇)が同行した。

あず
あず

以下はネタバレを含みます。ご了承の上、▶をクリックまたはタップしてください。

こちらをクリック

身柄交換は穏便に終了するかと思われたが、形勢は逆転。木原が張り込ませていた部下は既に殺され、店内の客とスタッフは全員、冴木の息がかかっていた。
河村は冴木に射殺され、箱崎はキムに半殺しにされる。木原も絶体絶命の中、岡林(田島亮)にかかってきた電話のお陰で木原は命拾いをした。
だが警察に何者かの圧力がかかり、木原は河村の殺害容疑で指名手配され、刑事の丸山(高橋和也)も動けずにいた。
さらに瀧澤も河村殺害に関与したとされ、丸山の部下・水越(西村元貴)に連行されたがそのまま姿を消し、救出も間に合わず焼き殺された。

警察上部にも影響力のある黒幕の存在。
それはかつて被害者3名と共謀関係にあった筈の元国土交通大臣・石上(石橋蓮司)だった。
モニター越しに対面した瀧澤に「殺される心当たりはない」と言われた石上は、自身が失脚した3年前、パーティの席で3人が談笑していたのを「自分を嗤った」と決めつける。

石上は児童養護施設から見込みのある子供を養子にして、特殊訓練を受けさせていた。冴木たちはその「石上ハウス」の出身者で、「日本を浄化する」という石上の目的のため働いていた。
国のためにと信じて行ってきた汚れ仕事が無意味であり、殺人を含む今回の騒動が木原と冴木を対峙させ、最終的には自分を木原に殺させるという石上の歪んだ目的からだったと知った冴木は、すべてを知りつつ黙っていた岡林を裏切者として殺し、さらに石上も殺害した。

一方、木原は児童養護施設にいた幼少期、よくかばってくれた「にいちゃん」が冴木だと知り、また自分が空手日本一に輝いたことから素質ありとされて「石上ハウス」入りするところを、冴木が身代わりになってくれたのではないかと考える。
2人はかつて共に過ごし、今は閉園した施設で再会。
木原の情報源は石上であり「自分が情報屋になったのは、にいちゃんのためだった」と泣く。殴り合いの末、「殺せ」と拳銃を差し出した冴木に、木原は発砲した。

後日、昇進した水越と刑事部長がホテルのラウンジで談笑しているところへ、左遷された筈の丸山が現れ、逮捕状を見せて連行。
ナナ母娘と河村家の墓参りをしている三島の前には、追手を引き連れた元気いっぱいの木原が現れる。面食らう三島に出させた車が走りすぎた道端のベンチには黒づくめの男が座り、煙草をふかしていた。

感想

ヤ〇ザものは苦手

ヤクザやマフィアを正面から扱う作品については、昔から言語化できない苦手意識があり、コッポラの名作『ゴッドファーザー』すら観たことがない。柚月裕子『孤狼の血』シリーズも積ん読状態だし、もちろん映画も観ていない。北野武作品は大杉漣が「ウワアァァァー」だと知り食指が少―し動いたが、著作権などのトラブルや出演者の不祥事により、主要な配信サービスでは一部を除き観ることができないらしい。

前置きが長くなったが、そんなわけで『予告犯-THE PAIN-』で知った『INFORMA』も敷居が高く、1年以上寝かせることになった。久々に『予告犯-THE PAIN-』の記事が人気記事に表示されたことを機に、ついに重い腰を上げたのだが。

…ナニコレ。
…いいじゃん。 めっちゃ面白い。

いや思い切って大正解だった。
桐谷健太はもちろん、森田剛をはじめとした役者さんたちが予想以上に素晴らしかったし、台詞の伏線やテーマを丁寧に拾う脚本もよかった。
意外にも桐谷健太は、本作が初の連続ドラマ単独初主演なのだそう。

あず
あず

ち・な・み・に!『孤狼の血』『孤狼の血 LEVEL2』は滝藤賢一、矢島健一、LEVEL2から鈴木亮平、斎藤工、宇梶剛士、寺島進、渋川清彦というご贔屓メンバーが出演してるの知ってる?

のりまき
のりまき

そんなに!? かたせ梨乃も出てるのか…それは迷うな

のりまき
のりまき

『INFORMA』が予想以上によかったから、食わず嫌いしてないで観てみようかな

サクサク観られる

公式発表では各話30分、Huluでは23分余りと1話が短め。全10話なので作品自体は決して短くはないが「スキマ時間にでも観てみるか」と思える気軽さは、とっかかりとしてありがたかった。
不思議なもので、各60分の全5話よりも心理的障壁が下がる気がする。
却ってその短さゆえに内容が薄かったり雑になったりはしないかと思ったが、各話がきちっとまとまって見応えもあった。

「地上波にしては攻めた犯罪ドラマ」と聞いていたが、木原がカラッとしているのと映像が明るめなおかげで陰惨さや陰鬱さは感じられず、なかなかの殺害描写や物語展開にも関わらず次回を楽しみに一気に鑑賞。よい意味でサクサク観られた。

チャラい情報屋

伝説級の情報屋と聞いていたので、「ちょっと崩した渋いスーツ姿だったりして?」「スーツは黒、シャツはやっぱりシルクで濃い紫みの赤がいいかも💛」とわくわくしていたというのに、出てきたのはいかにもな柄シャツに金のネックレスというザ・チンピラな桐谷健太もとい木原。

いや、まあ、それはそれで構わないけど、これからドレスアップしたりするよね!? ね!? という期待も虚しく、高級と思われるホテルやレストランでもチンピラファッションを貫く桐谷健太もとい略。嘘でしょ…。

おまけにキャラも豪放磊落とはちと違う。都市伝説的とかいうわりに抜けているし、何と言ってもチャラい。パワハラチックに三島を巻き込み連れ回すが、あんまり嫌な感じもしない。
三島に誰かを重ねているのは、ポンコツ1号の存在が明かされる前からひしひしと伝わってきたが、河村(兄)やナナとは違い悲愴感がほぼない。逆にこき使うってどういうこと!?と呆気にとられたが、それも木原の魅力と言えばそうかも?
最初のうちは傲岸不遜で非常に感じが悪く、観るのをやめようかと迷ったのは内緒。

ファッションに関しては、ほぼヤクザ映画御用達のテロテロシャツかジャージしか見なかったし、黒づくめの冴木もお洒落とはほど遠いもっさりスタイルで、特筆すべきものはゼロ。
強いて言うなら河村(兄)のジャストサイズのシングルベスト姿は、まあまあファッショナブル…だったかな。

あず
あず

あのタイプのシャツや岡林が着てたピロピロスーツって、どこで買えるんだろうね?

のりまき
のりまき

リアルで着てる人、見たことないしねぇ

安定の山中&蓮司

アクは強くないのに善人も悪人も完璧な名脇役の山中崇。Huluオリジナル『時計館の殺人』でも原作とはキャラの違う編集長を演じていた。
細めなら山中崇、太めなら池田鉄洋を持ってくれば間違いないと個人的には思っている。
今回も編集部に眼鏡をかけた山中崇がいるのを見つけて「このドラマ当たりかも」と期待した。

第1話の終盤、車椅子に乗った石橋蓮司が現れた時には「ハズレめでも、この2人が何とかしてくれるだろう感」がひしひしと。
残念ながらというべきか、長年蓮司を見続けてきた身としては、早々にラスボスとそのざっくりした設定が分かってしまった。だって蓮司だもん。
どうせ失脚か病気で一線を退いた政治家か何かでしょ?と思っていたら、被害者が国土交通副大臣と建設会社の取締役ときたので、元国土交通大臣あたりか?関東随一の組の元組長って可能性もあるか?と予想していたら大臣でビンゴ。
秘書役の宮川一朗太も、出番は少なかったが武闘派ばかりの中で文官として地味に輝いていた。

狂気の動機

蓮司演じる石上の、冴木と木原を闘わせる理由は狂気じみて共感はできず、いまいち理解も及ばなかったが、『あずみ』を彷彿とさせる。おそらく「石上ハウス」でも同様の対戦型の育成がされたのではと推測。
『あずみ』には、せっかく育てた優秀な人材をむざむざ減らすのは得策ではないのでは?情はないのか?と首を傾げたものだが、余命を切られた石上には知ったことではなさそう。

息子とも弟子とも育てた冴木を、木原の当て馬にするのは非情の上に侮辱と感じるが、最高傑作の2人をぶつけてちょいちょい手出しをしながら高みの見物をするのは、殺し合いはやりすぎ感があるが確かに楽しそうではある。
視聴時には少々不自然に感じたが、実はそうでもなかったかもしれない。蓮司だし。

のりまき
のりまき

終始無表情の冴木が、石上と再会した時と詰め寄る時だけ、感情が露わになったのが何か微笑ましかった

のりまき
のりまき

木原VS冴木が見たいのは分からなくもないけど、自分(石上)を殺すのがなぜ木原希望なのかは分からんな

あず
あず

冴木の実力は十分知ってるし、木原は人殺しをしたことがないからとか?

のりまき
のりまき

てか木原も最高傑作てこと…? あのチャラい情報屋が…?

やりすぎガスマスク

被害者たちにガスマスクを被らせる前に、岡林が熱風云々の説明をしていた時には「まさかね…」と震えたが、そのまさかだった。「ワンチャン顔の黒焦げを防いで見せしめにしたいのかも?」などと想像していたが、単に、より苦しませるためだけだったらしい。

よっぽど恨みがあったのか蓮司。
それとも、これほどの殺し方をすることで震え上がらせたい関係者でもいるのか蓮司。
被害者の表情にこちらも怯えつつ、真相を楽しみにしていた。…が。
「…嗤っただろう?」で冴木とシンクロしてずっこけた。

ちなみにいつもキムが被害者の頭から油をぶっかけていたが、あれはかける方も危険なのでリアルでは絶対にNGなやり方なのだそう。
実際、キムの服にもかなり飛び散っていたし、特にガソリンであれば気化するので、繁華街に連れ出して火をつけようとライターをカチッとやった時点で、冴木たちも無事では済むまい。

あず
あず

「国のために」とか冴木は言ってたけど、ガスマスクまでは必要ないよね?

のりまき
のりまき

まあ序盤での視聴者に対しての残虐アピールができたということで

のりまき
のりまき

個人的には副大臣の炎の上がり方はちょっと不満だったかな

あず
あず

…見てるのそこ!?

のりまき
のりまき

でもいちばん怖かったのは、人が焼け死ぬのを撮影している野次馬だったな
現実感がなくて救急車を呼べないのはアリとしても、寄ってってスマホで撮るのはナイわ

あず
あず

あれは何か怖いよね。現実でもする人いるんかしら…

エ〇はなし

本作を高く評価した個人的な理由の一つが、ヤクザ映画にありがちな性描写や性暴力、女性の搾取がなかったこと。女性を風俗店で働かせるシーンなども一切ない。
エスのナナにしても、あくまでキャバ嬢として情報収集をしている様子だった。

女優の出演も最低限で、男臭さ満点。それがいい。
暴力シーンはふんだんだが、殺し合いは男同士でやりますのでという感じで、女性は巻き込まれていない。男性にしても「下っ端を騙して雑に使い捨て」みたいな場面はなく、トップ同士がガンガンいく。
語弊があるかもだがお陰で健康的で、カラリとした雰囲気で気持ちよく楽しめた。

のりまき
のりまき

違法薬物なども出てこなくて、とにかく武闘派どもの闘いと情報戦がよかった!

あず
あず

なるほど…のりまきが嫌いなのは陰惨なシノギなんかだったわけね

隠れたテーマ

第1話で木原が知り合ったばかりの三島に語った「(ヤクザの絆よりも)我がの家族が大事に決まっとるやんけ」(台詞ママ)という言葉が象徴するように、ストーリーとは別に「家族(との絆)」が様々に描かれる。

木原自身は児童養護施設の出身の上、妻子はいないようなので、天涯孤独の身の上だが、ナナには「パパ」と呼ばれ、河村兄弟とは上下関係を超えた3人兄弟のような絆を窺わせる。
初登場時にはボコボコにした相手を前にステーキを食べていた河村(兄)は、木原に「(三島を)大事にしてやってください」と亡き弟を重ねた気遣いを見せる。
シングルマザーのナナは、娘が生まれる前に亡くなった河村(弟)を想いつつ、よき母をやっており、木原や河村(兄)、職場の同僚たちも娘の誕生会を盛大に開いてくれる。

木原たちには敵愾心むき出しの瀧澤組の相田は、組長を親父と呼び、損得勘定なく危険を顧みずに助けに向かう。さらに瀧澤を殺したキムにがっつり報復をする。
人を痛めつけるのが何より好きなキムも、母親には仲間を売るほどに弱い。それも幼少期から虐待し続けたアルコール依存症の母親ときた。お国柄かもしれないが、それでも母を守ろうとする姿は小さな子供のようで痛々しい。

歪だが石上と冴木たちにも親子に似た関係が存在していた。
石上にとっては捨て駒に過ぎなかったのかもしれないが、再会した時に嬉しそうに笑って冴木の肩を抱いていた様子は、冷酷な上司・師匠というよりは父親に近い気がした。
養子側は、特に冴木は石上に対して息子としての愛情を持っていたように見える。

そして木原と冴木の関係は、まさに兄弟だった。
冴木は子供時代も無口で腕が立ち、無関係の木原を助けることからも正義感が強かったと見受けられる。さらにいったんはかばった後で木原も殴って叱咤することから、優しいだけではなく厳しさも備えた“兄”であることが窺える。

冴木たちがしてきたことは許されない。百歩譲って石上の崇高な目的のため、祖国のため手を汚してきたのだから殺人自体は大目に見るとしても、相手に不必要な苦しみを与え、無関係な人間も必然性なく殺したりするのは論外ではないか。
木原にしても大事な“弟”たちが、冴木たちに目の前で殺されている。

だが作品内で積み重ねられてきた木原の幼少期、木原以外の“家族”の姿から、木原が冴木を撃つのも理解できるし、撃たないという選択もまた十分に納得できる。
泣きながら訴えながら冴木を殴る木原と、黙ったまま表情だけは穏やかに(でもしっかり殴る)冴木のシーンは、思わず感動すらおぼえそうになった。

後味のよさ

出かけた涙が引っ込むラストは非常に後味がよく、それまでの細かな雑さや違和感が気にならなくなるくらいの爽快さがあった。

ナナに下心アリアリの三島が、ナナ母娘と墓参りをする様子に「えぇ…最後の最後でラブストーリー!?」と眉をひそめていたら、ナナにその気はなく木原に頼まれて霊園に連れてきただけで、木原がやってくる。
「そうでなくっちゃ!」とにっこり(というかニヤニヤ)。

さらに「んで冴木はどうした?まさかこのまま終わらないよね?」と呟いた瞬間、明らかに冴木と思われる男が映し出された。
何という絶妙なタイミング。

のりまき
のりまき

よく考えれば「火だるま事件」の時、無関係っぽい秘書や運転手も轢き殺したりしてたから、冴木はやっちまってもよかったんだけど

のりまき
のりまき

でもやっぱり生きててほしかったから嬉しかったな

あず
あず

後ろ盾をなくした冴木はこれからどうするんだろう?

のりまき
のりまき

あれだけの腕があれば何とかなるんじゃない?石上の養子なら遺産もあるかもだし

『INFORMA』原作にはバンコクを舞台にした続編があり、新シリーズ『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』(通称シーズン2)として2024年11月7日から12月26日までABEMAにて配信された。
2026年10月現在、2はABEMA、Netflixのみでの放送。1はABEMA、Netflix に加えPrime Video、Hulu、TERASAなどでも放送している。
残念ながらABEMA、Netflixは契約していないので、今のところ2は観ることができないが、契約サービスに下りてきたら絶対に観る。楽しみ楽しみ💛