別名:アフリカン・ドッグ/シンバ/バンツー・ドッグ/ファーブラック(人種差別用語)など
原産国:南アフリカ
区分:中型犬
グループ:なし
体高:50~60㎝
体重:不明
「アフリカニス」は南アフリカ全土に生息する原始的な犬種です。
地元で、また部族によりつけられた様々な呼び名を持ちますが、近年、純血種として認められ、「アフリカの犬」を意味する「アフリカン・カニス(African Canis)」を縮めた「アフリカニス(Africanis)」が正式名称となっています。
スワヒリ語では「ムブワ・ワ・キシェンズィ(Mbwa wa wa Ki-shenzi)=野蛮な犬」と呼ばれています。
犬種の歴史
非常に古い犬種で起源は不明ですが、祖先は古代エジプトの犬とされています。
アフリカで発見された最古の犬の化石は約5,900年前のもので、ナイル川西デルタ地帯にある新石器時代の集落であるメリムデ・ベニ・サラマ遺跡から発掘されました。
そこから犬たちは部族の移動とともにアフリカ全土に広がり、6世紀頃、少なくとも570年までには南アフリカに到達したと考えられています。
人間の集落とはつかず離れずの関係を保ちつつ、家畜の番犬や猟犬として使われたり、時にはペットして飼われたりもしていました。
南アフリカに入ってきたヨーロッパ入植者からは、有害動物として迫害された時代もありました。
1955年、アフリカニスから進化し、ローデシアン・リッジバックの祖先と言われるホッテントット・ドッグの最後の犬が射殺されるという記録も残っています。
現在では保護や普及、異種タイプに分裂することを防ぎ、本来の野性的な特性を保持するための努力がなされています。1998年には南アフリカ・アフリカニス協会(Africanis Society of Southern Africa)が設立されました。
ちなみに南アフリカで発見された最古の犬の骨格は、最北端のリンポポ州の遺跡で発見され、570年頃のものとされています
ちなみに日本の最古の犬は、愛媛県の上黒岩遺跡から発見された、縄文時代早期末から前期初頭(7200~7300年前)のもので、国内最古の埋葬犬とされています
日本の方がアフリカより古いって何だか意外
犬種の特徴
すらりとした体形の頑健な中型の犬で、グレイハウンドとディンゴの交配種のような外見であると言われます。
尾の付け根の外側に、黒い斑点があるのが特徴です。野生のオオカミの場合、尾腺のある箇所なので、原始的な特徴ではないかと考えられます。
若干の外見上の違いはあるものの、人間による選択的繁殖が行われてこなかったわりには純血種が生まれる確率が高く、他種と交配しても外見がほとんど損なわれないほど確固としたタイプを持っています。
まれにリッジバック(背中の毛並みが逆向きに生えて屋根のように盛り上がる)の個体もおり、ローデシアン・リッジバックに関連しているのがうかがえます。
筋肉が発達しており、非常に速く走ることができます。
性格は温厚で忠実ですが、本能的な用心深さも持っています。
家畜の番犬や猟犬など人間に使われる一方で、半野良の生活を送っており、肉食獣が多数存在する中を自給自足で生き抜いてきたため、非常に頭がよく、健康な犬です。
病気や寄生虫に対する免疫力が高く、かかりやすい遺伝病も特にありません。
JKC登録はありません。
原産地では「知恵の豊かさ」で定評があるんだって
自滅遺伝子が働いてるとしか思えない拾い食い犬もいるのにね(チラッ)
それは…その…こ、好奇心旺盛ってことで…
※2024/09/04 一部誤りなどを訂正し加筆しましたが、参考文献によって内容が異なる場合があります