実は、最初は猫を飼う予定だったんです。
いやその前は、どちらかといえば犬を飼うつもりだったんですが。
今回は、黒ラブの子犬が我が家に来ることになった顛末について、書いていきます。
のりまきと相方の動物観
私(のりまき)は小さい頃から動物が好き。
私以外の家族は、特に動物好きというわけではなかった筈なのですが、よそからもらわれたりで、ザリガニ・亀・ハムスター・ウサギ・インコ・ウズラ・犬・猫などが、断続的に家にいました。
私が子どもの時は、どの家でも犬は基本的に外飼い、猫も日中は自由に外に出るという飼い方が普通でした。
特に犬と猫が好きだったので、よその犬や野良犬・野良猫にもちょっかいを出して、仲よくしていた記憶があります。
子犬・子猫を飼った経験はなく、家で飼ったことがあるのは、大人になってからもらわれてきた子ばかりでした。
幼児期には、よそのワンコに手を出して、噛まれて流血したこともあります
どこの犬か分からなかったので、念のため狂犬病ワクチンの接種を受けました
でも相変わらず犬が大好きでしたね~
かたや同居する相方は、子どもの時に、家に猫がいたことはあるものの、動物全般に対しては非常に淡泊。
テレビの動物番組も、自分から観たがることはあまりなく、「のりまきが観たいならつき合うよ」といった体でした。
犬はあまり好きではなく、成犬に対しては大人になっても恐怖感があるとのこと。
というのも、小学生の頃に近所のドーベルマンに突撃され、顔を負傷した経験があるからでした。
当のドーベルマンには攻撃するつもりはなかったようですが、走ってきた先にたまたま相方がおり、正面衝突は回避したものの、どちらも避けきれずに接触。その時にドーベルマンの牙が相方の顔をかすってしまったのでした。
子どもだった相方の目には、ドーベルマンはとてつもなく大きく映り、それが自分に向かって全力疾走してくる様は、恐怖以外の何ものでもなかったようです。
それ以来、成犬はすごい苦手になっちゃいました
のりまきがずっと動物を飼いたがっていたのは知ってたし、自分も飼ってもいいかなとは思ってたんだけど、最初に飼うのが成犬っていうのはちょっとムリでした…
そんなわけで、私は相性さえ合えば犬でも猫でも、成犬でも子犬でも何でもOKだったので、飼う動物の条件は相方に合わせることになりました。
ペットショップよりは保護施設や保健所を優先的に探そうということについては、お互いの意見は一致していました。
保護施設の見学
私たちが見学した施設について、詳しくは「犬・猫の入手方法~譲渡・購入どっちがいい?~」をお読みください。
ある動物病院が母体となっており、保健所から引き取って、里親が見つからなくても死ぬまで面倒をみてくれる施設です。
保護されてくるのは成犬が圧倒的に多く、子犬は入ってきてもすぐに里親が見つかります。
成犬は子犬よりは時間が相当かかりますが、施設の活動理念を理解している方が里親になるため、大体は引き取られていきます。
ただ中には数年越しで里親が決まった成犬もいましたし、戻ってきた子もいました。老齢で里親が見つからないまま、施設で亡くなった子もいます。
いずれにせよ保護施設からもらうつもりでしたが、 私たちが施設を訪れた時、犬は成犬しかいませんでした。
定期的にチェックしている施設のサイトによれば、数日前に数頭のダックスフントの成犬が入ってきていました。
相方が小型犬種の成犬なら大丈夫かも、と言うので見に行ってみたのですが、なぜか全頭予約済み。
「昨日サイトで見た時には予約なんて入っていなかったのに!?」と思ったら、みなさん、めぼしい犬を見つけると、即電話で予約を入れてくるんですって…。
さらに運の悪いことに、その時には予約済みの小型犬以外には、初心者が飼うには少々難しそうな、問題のあるハードルの高い子たちしかいませんでした。
犬好きの私でもちょっと引くくらい、狂ったように吠えてくる子もいて。
固まっている相方の顔を横目で見ながら、ここで犬をもらうのは、今は無理だと判断しました。
それなら猫はどうだと同じ施設の猫舎も見学。
相方も、猫なら大人でもいいということだったので、何度か通って一緒に遊ばせてもらいました。
「成猫なら大丈夫」と言っていた相方は、猫たちに対しても最初はおっかなびっくりでした。
「嫌いではないけれど、どう接していいのか分からない」といった感じで、怖々と手を出してなでようとしたり、元気いっぱいの猫に飛びつかれてびびったり。笑
相方が、こんな風に身近な動物に接するところを、実は初めて見たのですが、「本人の自覚はないようだけど、動物全般が得意ではないらしいな…」と思いました。笑
いざ譲渡…のつもりが大誤算
施設には子猫もいましたが、私がひそかに決めていたのは、何年も施設にいる大人の猫でした。
施設のサイトはずっと見ていたので、子犬や子猫は速攻でもらわれていくけれど、成犬や成猫はなかなか里親が決まらないのを知っていました。
私は別に子犬や子猫じゃなくてもよかったので、それなら大人の子をもらおうと思っていました。
何度か通って、動物にだんだん慣れた相方も「猫もかわいいね」と異論はなく。
「今日こそは決めるぞ」と見に行った帰り道。
相方と「せーの」で引き取りたい子を同時に言ったところ、なんと2人とも同じ子を希望。
予約を入れようか迷ったのですが、「何年ももらわれなかったんだから大丈夫でしょ♪もう少し自分たちがちゃんと準備してからにしよう♪」とその時は見送りました。
その足でペットショップやホームセンターに行き、うきうきとキャットケージやフードを見て回りました。
ネットショップなどもチェックして、施設に予約を入れてから設備は購入ということにしました。
そして最後の見学から2日後、もう引き取るつもり満々で施設に電話を入れたところ。
「え?予約が入った…?」
私たちが電話を入れる直前に、他の方から予約が入ってしまったとのことでした。
施設のスタッフさんも、私たちがその子を気に入っているのは分かっていて迷われたそうですが、予約は先着順というルールなので、仕方がありません。
「万が一キャンセルが出たら」とお願いはしておきましたが、その子はそのまま引き取られていきました。
何年もトライアル(一時預かり)すら申し込みのなかった子だったので、完全に油断していました。
あれはショックだった…もう完璧にうちの猫になった気でいたし…
今でも「元気かな~」って言ってるよね
そしてペットショップで運命の出会い
すぐに他の猫という気持ちにもなれず、傷心のまま少し遠くにあるペットショップに行ってみた時のこと。
そのお店は大手のチェーン店でしたが、今まで見た中ではいちばん明るくて、ケージも店内も清潔でした。
そこに、生後3か月半の黒いラブラドールの子犬が、いたのでした。
少し、いやだいぶ、不細工に見えるのは気のせいだろうか?
並びには2か月になったばかりの、見るからに賢そうな、輝くようにかわいらしいイエローの子がおり、人気はそちらに集中。
さらに黒ラブちゃんはセール中で、ずいぶん値下げされていました。
ラブとしてはあり得ない値札を貼られたケージのすみっこで、小さく丸くなっている姿に、色々な意味できゅんとくる一方、「このまま売れ残ったら、この子はどうなるんだろう?」という思いがわき上がりました。
イヤもちろん、お値段に魅かれたというホンネも多少はありますが…。
「この子を飼おう」 見た時には、自分ではもう半分決まっていました。
そこへ相方がぼそりと「この子、よくない?」 「うん、飼いたいね」
色々見て、話し合ってきた中で「犬なら大型犬種の子犬がいい」という共通見解が生まれていました。
ラブラドールの子犬なら、希望通りです。
相方は、ラブラドールであれば黒の毛色がいちばん好みだったらしく、その点でも完璧でした。
本から得た知識しかありませんが、黒ラブちゃんをじっくり観察してみると、チェックするように書いてあった健康状態はクリアしているように見えました。
ただ購入前提で色々と話を聞いてみましたが、そのお店のスタッフは、犬に関する専門知識や、今いる子の日常的な情報はあまり持っていないようで、どちらかといえば「店員さん」要素が強めでした。
中でもスタッフの1人は、なぜかこちらを快く思わなかったようでした。
いわゆる「衝動買い」だと思われていたのかもしれません。
何年も前から、いつかは飼うつもりで勉強してきたし、保護施設の講習会にも参加して、飼う心がまえだけはできていると自分では思っていたので、売る側の人から「無責任」と言わんばかりの態度を取られるのは、正直心外でした。
こんなスタッフ(しかも責任者の1人)がいるペットショップで購入するのはやめようかと何度か思いましたが、もう「うちの子」になりかけた黒ラブちゃんを、「やっぱりやめます」とは言いたくありませんでした。
その日はとりあえず手付金だけお支払いして、本契約は後日ということにしました。
黒ラブちゃんは、最近になって遠方の系列店から移されたとのことで、こちらも用意があることだし、もう少し落ち着くまであずかってもらうことになりました。
1週間ほどあずかってもらい、その間にケージなどを購入し、部屋も犬仕様に変えました。
そしてお迎えの日。
抱っこが好きだそうで、相方が契約している間も、私の膝の上でおとなしく抱かれていました。
見た目よりもずっしりとした質量感に、ほっとしたのを覚えています。
健康状態は問題ないとのスタッフの話でしたが、今にして思えば、3か月半のラブにしてはかなり小さめで、引き取ってすぐ病院にも通うことになりました。
でも条件のいい犬がほしかったわけではなかったし、「どうせ犬だし。犬はみんな性格いいし」という犬に対する信頼感みたいなものもあり、「失敗したな」とは思いませんでした。
一目ぼれというのはちょっと違うかな?
でも「失恋した次の結婚は早い」って感じだなって思った
ところであずと出会う前から、家にラブラドールの本が2冊もあったけど
好きな犬種だから何となく買っといただけ
じゃ運命ってことでいっか~
そんなわけで、「あずき」(通称「あず」)と名づけられた黒ラブの子犬は、飼い主側の紆余曲折を経て、タッチの差で引き取ることのできなかった猫の代わりのように、うちにやってきたのでした。
そしてそれは、怒涛の日々の幕開けだったのです…。