前回「ノーリードのわんこ事件簿①~社会化失敗の原因かも!?~」では「脱走によりノーリードだった犬」について書きましたが、今回は「リアルにノーリードだった犬」について書いています。
のりまき家の散歩コース
4歳目前の愛犬あず(2020年9月現在)が、まだパピーだった頃。
基本的にはやんちゃで愛嬌も抜群なのですが、ラブラドールにしては神経質なところがあり、他の人や犬は元々苦手でした。
加えて散歩の際の引っ張り癖や拾い食いもひどく、どこでも連れて歩ける状態ではありませんでした。
理想の散歩コース
犬も人も苦手な上に、拾い食いもひどい…。
そんな愛犬を、お互いになるべくストレスなく散歩させられるコース探しは、のりまき家の新米飼い主ズにとっては、切実な課題でした。笑
車で外出している時には、いつの間にか、車・人通りが少なく、あずが目移りしそうなゴミや石、葉っぱなどが少ない散歩コースを選定していました。笑
さいわい家からそこそこの距離で、そういう道があり、夜間は特に交通量が少ないので、毎夜の定番散歩コースになりました。
ポケモンGOが流行っていた頃は、夜間に顔をほんのり不気味に光らせながら(スマホの反射)、少々不可解な動きをしつつ、ゆ~っくり歩く人もおり、あずきは警戒しまくりでした。笑
今はたまにランナーとすれ違う程度な上、パピー期には手に負えないほど興味津々だった道端のつる草にも、まったく関心を示さなくなり、ずいぶん楽になりました。
とはいえ、油断すると、未だに地面を舐めたり、小石や枝を口に入れたりしてご満悦なので、「どこでも好きな所に連れていける」のは、まだ先の話になりそうです。笑
もういい歳の成犬なのに、何で未だに拾い食い…
ラブってシニアでもそういう子多いらしいよ
ホントに盲導犬になる犬種!?
のりまき家の事件簿
夜には毎日のように行く散歩コースは、ちょっと遠いので、昼間はもっぱら違うコース。
休日など時間に余裕のある時や、散歩が気持ちのよい季節などには、たまに夜コースに足をのばすことも。
事件はそんな時に起こりました。
散歩日和のある日
その日、飼い主ズはお休みで、涼しく気持ちのよい天気。
いつも昼間の散歩は相方だけで行くのですが、珍しくのりまきもついて行っていました。
せっかくなので、夜の散歩コースまで行ってみようということになりました。
車通りはそこそこありますが、ゆったり散歩を楽しむには十分。
夜はランニングやジョギングをする人ばかりですが、日中は散歩やウォーキングを楽しむお年寄り、それもほんの数人でした。
突然現れた柴犬
見晴らしのよい一本道を奥まで行ってから引き返し、そろそろ帰ろうかという時でした。
みんなでのんびり歩いていると、突然、すぐ背後から何かの気配がしました。
驚いて振り返ると、そこには柴犬(たぶん)が。
むくむくした白っぽい毛のかわいい子で、わりと歳がいっているようでした。
その柴犬は、すーっと後ろから近づき、まさにあずきのお尻を嗅ごうとしていたところでした。
あまりに静かだったので、浮かれていたあずきは、のりまきが振り向いて初めて気づいていました。
その柴犬は、こちらが動揺していたのと、むくむくの毛に隠れてよく見えず、首輪をしていたかどうか、はっきり覚えていません。
しかし、リードはつけていませんでした。
あずパニック!
飼い主が振り向いたから、自分も振り向いたら、自分の尻を、知らないどこかの犬が勝手に嗅ごうとしていた!
というわけで、あずきは大パニック。笑
いや、笑いごとではないのですが。
当の柴犬は、攻撃的な様子はないのですが、さほど友好的というわけでもなく、しっぽも振っていませんでした。
ただ、逃げるあずきの尻を追って、しつこく嗅ごうとしています。
もしかして、他の犬と挨拶できるチャンスかも!?
いやいや、その前にちょっとみんな落ち着こう!
そんな考えが頭をよぎり、あずには「ほら、怖くないよ」と、柴犬には「あなた、どこの子?」と話しかけた矢先。
それまで柴犬を避けながら、小さくうなっていたあずきが、ブチ切れて、とうとう吠えました。
こりゃダメだ…。
動じない柴犬
あずきに吠えられたというのに、柴犬は、あず尻を追い回すのはやめましたが、さほど動じていませんでした。
さすが年の功というべきか…。
というか、飼い主はどこよ?
「ノーリードのわんこ事件簿①~社会化失敗の原因かも!?~」で書いたように、「脱走によりノーリードだった犬」を間近で見たのりまきとしては、この柴犬も脱走や家出をした犬かもしれないという可能性が、すぐ浮かびました。
昼間だからまだいいけど、迷い犬だったら厄介だなぁ。
どこに連絡すればいいのか分からないし、自分で保護もできないし、あずがいる状況でついて来られても正直困るし…。
うなるあずと、動じない柴犬が足元にいる状態で、相方と顔を見合わせて苦り切っていたところ。
呼ぶだけ飼い主
そこへ、どこからか「おーいおーい」という男性の声が聞こえました。
遠くからだったので、誰に声をかけているのか最初は分かりませんでした。
「おーい」
「おーいおーい」
辺りを見回すと、ずいぶん後ろの辺りで、中高年の男性らしき人が、立ったままこちらを見ています。
え? うちら?
前後左右にキョロキョロしてみましたが、他に通行人はいません。
「おーいおーい」
自分たちが何か落とし物でもしたのかと思ったのですが、男性は、「おーい」と声をかけるばかりで、近寄ってこようとか、他に何か言おうとか、そういうことは一切ありません。
よくよく見ると、男性は、正確には私たちではなく、私たちのそばにいる柴犬を呼んでいるようでした。
さらに、男性の手には、遠目なので定かではありませんが、リードらしきヒモ状のものが下がっているように見えました。
しかし、呼ばれているらしい柴犬は、飼い主の声にも無反応。
振り向きさえしません。
公道で犬を放すなんて、あり得んわぁ~
犬の名前も呼ばないなんて、何を考えてたんだか
謝りたくなかったんだよきっと…
知らん顔の柴犬
もしかしたら、柴犬は加齢で耳が聞こえにくくなっていたのかもしれませんが、一向に飼い主の元に戻ろうとはしませんでした。
相変わらず、一歩も動かないまま「おーいおーい」と呼ぶだけの男性。
自分の犬が、よその犬に近づいたまま、戻らないというのに、迎えにも来ないのか!?
あずきの尻を嗅ぐことは諦めたらしいので、あずきと相方を少し離れさせ、のりまきだけが柴犬に話しかけました。
おとなしい子だったので、本当はなでたかったのですが、よその子な上に飼い主が見ているので我慢。笑
「ほら、飼い主が呼んでるよ?」
「行かなくていいの?」
自分に話しかけられているらしいと気づいた柴犬は、のりまきを見上げて、ちょっとしっぽを振りました。
「あそこに飼い主がいるよ。気をつけてお帰り」
男性に見えないように指さしても、柴犬は振り向きませんでした。
「じゃあね。バイバイ」
私たちがいなくなれば、飼い主も近づいてくるだろうと、柴犬を置いて歩き始めました。
柴犬は追おうとはせず、その後のことは見ていません。
あの柴犬もねぇ…ちょっと無遠慮に嗅ぎすぎだったね
それはまぁ、犬同士のマナーなんで。笑
その後のあず
元々、他の犬や人が苦手な子ではありましたが、この件以来、他の犬に背後に回られるのを、今まで以上に嫌がるようになりました。
散歩中に、後ろに誰かがいると、かなり離れていても気にして振り返り、時には「ついてくんな」と言わんばかりに小さくうなります。
お前はゴルゴ13(サーティーン)か!!!
犬友だちがおらず、あまり他の犬と関わらせてこなかった飼い主ズの責任もあるのですが、のりまき家だけでなく、この辺りの犬飼いは、ほぼ交流がありません。
友好的に挨拶してくださる方もいらっしゃいますが、積極的に犬同士で絡ませたりすることは皆無。
どの犬飼いも、他の犬飼いとはなるべく関わらないように、お互いに避けています。
飼い主ズにとっては、どちらかといえば、他の犬と仲良くできるよりも、家で問題なく暮らせる方が重要なので、それも「あずの個性」だと諦めています。笑
意思表示はするけど、基本的に飼い主ズには従順なので、まぁいいかと
そういうラブもいるの!仕方ないでしょ!?
犬友とかほしいけど、お互い避けてるよねぇ…
出くわすと吠えまくる犬が多いから、無理ないけど…