イマドキの犬飼いにはわりと知られているワンコの肛門腺。
今回は、初めて遭遇した愛犬あずの肛門腺液について書いています。
肛門腺とは?
肛門腺は「肛門嚢」とも呼ばれる、肛門の少し下にある小さな器官です。
正確には、肛門嚢にある皮脂腺やアポクリン腺などを、まとめて「肛門腺」と呼ぶようです。
肛門嚢から出される臭いのきつい分泌液には、個体情報(年齢・健康状態・ヒートの時期など)が含まれており、犬同士がお尻を嗅ぎあうのは、この分泌液を嗅ぐためです。
肛門腺は犬・猫・スカンク・オポッサム・ビーバーなどに見られ、野生の動物は自分の意思で分泌することができますが、犬や猫はできません。
分泌液がたまりすぎると、炎症や破裂を引き起こす場合もあり、ほとんどの飼育本には、ケアのページに「肛門腺絞り」が記載されています。
分泌液は排便の時などに自然に排出されることが多いのですが、犬種・加齢・健康状態などで、自力では排出しにくい場合もあり、ケアする必要がある子もいます。
犬種としては、特に小型犬種やコッカー・スパニエル、バセット・ハウンド、ビーグルなどが、ケアが必要とされます。
ひどい時には肛門腺が炎症を起こしたり、破裂したりすることもあるから、気をつけてあげましょう!
飼い主がケアしてもいいけど、自信がなければ動物病院など専門家に頼んでね!
あずの場合
のりまき家の愛犬あずは、小柄ですが大型犬種のラブラドール・レトリーバーのせいか、肛門腺絞りは今まで必要ありませんでした。
シャンプーの時に該当する箇所を指で触ってみたりもしましたが、手触りも他とほとんど同じで、分泌液も出てきませんでした。
特に腫れたりもせず、不快がったりする様子もなく、病院でも問題ないとのことなので、何もケアはしていません。
本人はよく股の辺りを舐めたりしているので、今は自前でケアできているのかな?と思っていました。
分泌液はかなり臭く、色がついているらしいので、「排便の時に一緒に排出されるってホントかな?」と背後から観察することもありますが。笑
するのはぷぅ(=大)の強烈な臭いだけで、それらしき存在は目視では確認できていません。
今はぷぅのキレもいいしお尻もキレイだし、心配ないかな?
よく自分であちこち舐めてグルーミングしてるしね♪
爪を引っかけ大騒ぎ
さてそれでは本題です。
きっかけは掃除機
相方が掃除機をかけようとした時のことです。
のりまき(=私)は別室にいました。
あずはケージの中でしたが、以前、掃除機をかける時に出してもらえたのが嬉しかったようで、はしゃいでクルクル回り始めました。
その際に、後ろ脚の爪がケージの金網に引っかかってしまいました。
梅雨でいつもの時間ほどには散歩に出かけられず、爪が伸びていたのも災いした模様。
突然リビングから、あずのカン高い悲鳴が響き渡り、びっくり仰天ののりまき。
実は、あずはパピーの頃に、前脚の爪をイタズラ防止の網に引っかけたことがあり、それ以来、その手のことには大騒ぎするので、鳴き方で分かるのですが、その時は尋常ではない鳴きようでした。
ケガでもしたかと慌てて見に行くと、相方は爪を外そうとしており、あずはパニックで鳴き続けていました。
後ろ脚は初めてだったので、本人は動転するわ、なかなか外れないわで地獄絵図。笑
「笑」とかつけてるけど、実際はあの鳴き声を聞くと胸が潰れそうになります…
あずがこっち向いてるから手探りで外してて、時間かかっちゃった
やっと外れて
爪が外れると、あずは相方を押しのけて、開いていたケージから飛び出して、一目散にのりまきの元へ。
もちろん足先を確認しましたが、さいわい何事もなく、ただ驚いただけのようでした。
背中を丸め、しっぽをブンブン振って、のりまきに突っ込んでいるあず。
その尻をなでながら、ホッとすると同時に「ウヌ!?」
何か、ものすごく、クサイんですけど…?
実はリビングに駆けつけた時から、漂っていたのですが、それが強くなっている。
例えるなら「傷んだ煮干し」のような、やたらと生臭い、初めて嗅ぐ臭いでした。
相方は「くさやみたいな…?」と言っていたので、魚系であることは間違いなさそうです。笑
臭いの元は
やっと落ち着いたあずは、今度は座り込み、しきりに股の辺りを舐め始めました。
臭いの元が分からず、鼻をうごめかす飼い主ズ。
ふと、あずが今までいた場所のマットの一部が、濡れた後のように、薄く変色しているのに気がつきました。
こんなところに何をこぼしたのかと、何げなく嗅いだ相方が「クッサぁぁぁ!!」
そして、たまたま自分の手を顔に近づけたのりまきも「クッサぁぁぁ!!」
少し離れて、またお尻を舐めていたあずが尻をつけていたところにも、同じような薄いシミが…。
その時になって、ようやく臭いの元凶があず(の肛門腺)だと気づいたのでした。
あずの場合は、無色でサラッとした液体状だったみたいです
色・臭い・状態は個体差があるんだよ♪
祭りの後
犬や猫は、自分の意思で自由に肛門腺から分泌液を出すことはできませんが、パニックに陥った時などに、噴出することがあるそうです。
お尻を舐め終わった本人はケロッとしていましたが、わけの分からない悪臭にさらされ、後半は飼い主ズの方がパニックでした。笑
常備している自然派の消臭剤を、シミ目がけて噴射して、叩くように拭き取りました。
何度か繰り返すと、マットの臭いはまあまあ消えましたが、室内の臭いは換気しても数時間ほどは残っていました。
ちなみに最近、やっと肛門腺らしき物体を確認!
指先くらいの小さなふにふにした袋みたいな?思ったより肛門のすぐ横でした
日頃からワンコのお尻はチェックしておいてね♥
ちなみに爪はその後すぐやすりました♪
参考:
the WOOF「犬の肛門腺〜知っておくべきこと、ケアの方法」
Pet Pedia「【獣医師が解説】犬の肛門腺は絞らなくてはいけないの?頻度や上手に絞るコツは?」
誠文堂新光社『レトリーバーファンSpecial』
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