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犬に与えてはいけない食べ物~野菜~

わんこのトリセツ
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シリーズ化(予定)の「犬に与えてはいけない食べ物」。今回は「野菜」です。
「生食」は生で与える場合「加熱」は何も加えず火を通して与える場合です。
調理した味つきの野菜や、ピクルスなどの加工品は、おすすめできません。
アボカドは実は果物なのですが、野菜のイメージが強く、また犬には非常に危険な食品のため、果物・野菜の両方でご紹介しています。

絶対に与えてはいけない野菜

犬に絶対に与えてはいけない危険な野菜です。
最悪、死に至ることもあるので、十分に注意しましょう!

食品 生食 加熱 注意点
アボカド × × 果肉・葉・枝・種に中毒成分が含まれている
犬も含め人間以外の動物は中毒症状を起こし死に至る危険がある
たまねぎ × × タマネギ・ネギに含まれる「アリルプロピルジスルフィド」という成分により赤血球を破壊され、貧血症状が出る
エキスにも含まれるので一緒に調理したものもNG
ひどい時には呼吸困難などを起こして死に至ることもある
ニラ × × ニラ・ニンニク・ラッキョウに含まれる「硫化アリル(ジアリルスルフィド)」という成分により赤血球を破壊され、貧血症状が出る
火を通しても毒性は消えない
ちなみに見た目がよく似ている水仙の葉も有毒なので注意する
ニンニク × × ニラ・ニンニク・ラッキョウに含まれる「硫化アリル(ジアリルスルフィド)」という成分により赤血球を破壊され、貧血症状が出る
火を通しても毒性は消えない
薬効が高いため、勧めるサイトもあるが与えない方が無難
ネギ × × タマネギ・ネギに含まれる「アリルプロピルジスルフィド」という成分により赤血球を破壊され、貧血症状が出る
エキスにも含まれるので一緒に調理したものもNG
ひどい時には呼吸困難などを起こして死に至ることもある
ラッキョウ × × ニラ・ニンニク・ラッキョウに含まれる「硫化アリル(ジアリルスルフィド)」という成分により赤血球を破壊され、貧血症状が出る
火を通しても毒性は消えない

アボカド

「犬に与えてはいけない食べ物~果物~」でも書きましたが、アボカドは犬に与えてはいけない食品の中でもトップクラスに危険な食品の1つです。
栄養豊富で美肌効果もあり「森のバター」と称されますが、人間以外の動物は中毒症状を起こす危険性があるので、与えてはいけません。
心臓血管系の問題を起こし、死に至る場合もあります。

タマネギ

犬の「タマネギ中毒」「ネギ中毒」は、最近ではよく知られています。
ネギ類に含まれる「アリルプロピルジスルフィド」という物質は、体内に吸収され赤血球を壊すため、貧血症状が出ます。
赤血球は体中の組織に酸素を送り届け、代わりに不要物を受け取っています。そのため赤血球が壊れてしまうと、呼吸困難などに陥ることもあります。

体重1kgあたり15gを摂取すると症状が出ると言われています。

エキスにも成分は含まれているため、たとえネギ類を除いたとしても、一緒に調理したものを与えてはいけません(そもそも人間用に調理したものは与えてはいけません)。
今はドッグフードが一般的になっていますが、昔のように味噌汁をご飯にかけて犬に与える場合などは、タマネギやネギ入りの味噌汁は危険です。

ちなみにタマネギやネギが入っていなくても、出来上がった味噌汁そのものをご飯などにかけて与えると、犬にとっては塩分過多になるので、味噌を溶く前の汁にしましょう。

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与えてもよいが注意が必要な野菜

こちらでは、与え方に少し注意が必要な野菜をピックアップしてみました。

食品 生食 加熱 注意点
キノコ × カロリーがほとんどないのでダイエットに適している
食物繊維豊富で便秘解消、ビタミンB群・ビタミンDを多く含む
野生のきのこは毒性があるものもあるので与えない
必ず十分に加熱して与える
ゴボウ × マグネシウム・カルシウムを含むため、尿石症につながる可能性がある
食物繊維が多すぎるため、下痢や腹痛の原因になる
ジャガイモ × 茎・芽・緑色の皮にソラニンという毒性物質を含む
与える時には必ずそれらの部分をきちんと取る
ショウガ 解毒作用があり、血行促進をして冷え防止にも役立つ
ネギ類の仲間で過剰に摂取すると中毒症状を起こす場合がある
個体差はあるが与える場合は極少量にしておく
タケノコ × 犬には栄養素の期待値が低い
消化も悪いので与えるメリットは特にない
どうしても与えたい場合にはみじん切りにして、少量与える
トマト 葉の部分や熟していない青い実にはトマチンという毒性物質が含まれる
熟した実を与えるのは大丈夫
ニンジン β-カロチンが多く含まれ、過剰摂取すると肝臓などに蓄積される可能性もあるので、適量を与える
犬が消化しきれないこともあるので、小さく刻むか柔らかく煮て与える
ピーマン × ソラニンという毒性物質を含むため、与えすぎに注意する
ビタミンCが豊富に含まれている
薄皮をむいて加熱して与える
ブロッコリー × ビタミンC豊富で免疫力を高め血液をサラサラにする
茎のほうが栄養がある
ビタミンCは熱に弱いので軽く加熱し、細かくして与える
シュウ酸を多く含むので、結石を持つ犬に与える場合や与えすぎには注意
ほうれん草 × ビタミンやミネラルがたっぷり含まれ、特にβ-カロテンが豊富
シュウ酸が多いので過剰摂取すると結石症を引き起こす原因になる
必ず加熱してシュウ酸を減らし、与え過ぎには注意

ジャガイモ

「ソラニン」は、ジャガイモの緑色の皮や芽に含まれていることが知られています。
神経に作用する有機化合物(ステロイドアルカロイド)の一種で、「ソラニン」には様々な有毒成分が含まれています。
含有部分を取り除かずに食べた人間が食中毒を起こすことがあります。
犬に与える場合も、きちんとそれらの部分を取り除き、十分に加熱しましょう。

ゆでたジャガイモをつぶしたり、サイコロ状にカットしたりすると、より消化がよくなります。
少量をドッグフードのトッピングにしてもよいでしょう。
おやつやトッピングで与える場合は、体重5kgの成犬の場合20g体重20kgの成犬の場合60gほどが目安となります。

また多くの書籍やサイトで言われていますが、塩や油脂で味つけされたジャガイモを犬に与えるのはNGです。
フライドポテトやポテトチップス、人間用のマッシュポテトやポテトサラダを犬に与えるのはやめましょう。

「ソラニン」と名前がよく似ている、紫外線に反応して肌にシミ・シワを作る光毒性物質「ソラレン」については、「犬に与えてはいけない食べ物~果物~」で詳しくご説明しています。

トマトは意外に要注意!

トマトの葉・茎・ヘタ、青いトマトには「トマチン」という有毒な成分が含まれています。
アルカロイドという有機化合物の一種で、「ソラニン」にも同様の成分が含まれます。
犬には与える時には、熟した実を選びましょう。

トマトケチャップには香辛料・タマネギ・塩分などが含まれているので、与えてはいけません。
無塩・無添加のトマトジュースやトマト缶などは、与えてもよいとするサイトもありましたが、与えない方が無難とするサイトもありました。

ニンジンも意外に要注意!

ニンジンにはβ-カロテン(β-カロチン)と言われる、橙色の色素成分が豊富に含まれています。
β-カロテンはカロテノイドという色素の一種で、最も多く植物に存在する脂溶性色素です。
ニンジンには他の野菜と比べても、ずば抜けてβ-カロテンが含まれています。

β-カロテンは、体内でビタミンAに変換され、「夜間の視力の維持」「皮膚や粘膜の健康維持を助ける」「がんの予防」「免疫力の強化」「肌の奥の隠れジミ(シミ予備群)を減らす」など、重要な働きをします。

ビタミンAに変換される栄養素としては、植物性食品に含まれるカロテノイドと、レバーなど動物性食品に含まれるレチノールがあります。

ビタミンAの過剰摂取は、さまざまな健康障害を引き起こす可能性が報告されています。
レチノールは食べ過ぎると過剰症になり、肝機能障害などの心配がありますが、カロテノイドは必要な量だけ体内でビタミンAに変換されるので、過剰摂取の心配はないとされています。

ただしニンジンは糖質が高いので、摂り過ぎは肥満につながります。
また生で食べると消化不良を起こす場合があるので、加熱して与えます。

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シュウ酸

「シュウ酸」結石の原因になるとされますが、犬も同じです。
最も多く含まれるホウレン草・タデ科の多年草スイバには100gあたり800mg含まれます。
そのほか、ブロッコリー・タケノコ・バナナ・紅茶・コーヒー・玉露・抹茶・チョコレート・ココア・ピーナッツ・アーモンドなどに多く含まれます。
シュウ酸は水溶性のため、ゆでることにより減らすことができます
またカルシウムを一緒に摂取すると、シュウ酸の吸収を抑えることができるので、調理法と食べ合わせに工夫しましょう。

のりまき
のりまき

ちなみに「シュウ酸」は漢字では「蓚酸」と書きます
「蓚」はタデ科のスイバを意味しています

のりまき
のりまき

英語では「oxalic acid」ですが、これはカタバミ (oxalis) から初めて単離されたことから命名されました

与えてもよい野菜

人間が食べる時と同じように、皮や種を除いたり、加熱したりすれば、安心して与えられる野菜です。

食品 生食 加熱 注意点
アスパラガス × β-カロテン・ビタミン・ミネラルが豊富
加熱して細かく切って与える
インゲン × たんぱく質と炭水化物が主成分で種皮には食物繊維が豊富
解毒作用の効果もある
加熱して細かく切って与える
オクラ 食物繊維豊富で、内臓の働きを助けると言われる
熱に弱いので生で与えるか、加熱は最小限にする
細かく切って与える
カブ カルシウム豊富で内蔵の働きをよくする
根はほとんど水分で葉に栄養がある。どちらも生食・加熱OK
根は皮のままおろして与え、葉は細く切って与える
かぼちゃ × β-カロテン・ビタミンCが豊富
種とワタを取り除き、小さく切って加熱して与える
キャベツ ビタミン豊富で、中でもビタミンUが傷ついた胃粘膜を修復する
葉は細かく切り、芯部分はスティック状にしてもよい
ストラバイト結石を持つ犬に与える場合や与えすぎには注意
キュウリ およそ95%が水分でできており、主な栄養素はビタミンC・カリウム・βカロテンなど
生食・加熱ともに問題ない
ゴーヤ ビタミンCが豊富な繊維質の食材
苦味はみじん切りにして水にさらすと抑えられる
生で与える場合は細かく切り、加熱する場合は油で炒めるとβ-カロテンの吸収率が上がる
小松菜 ほうれん草に比べるとシュウ酸がとても少ないので生で与えてもOK
必ず細く切って与える
サツマイモ × 食物繊維豊富で整腸作用があり便秘にも効果的
加熱し皮ごと与えられる
甘くて犬にも食べやすいが、糖分が多めなので与えすぎると肥満の元になる
サトイモ × 消化機能を助け抵抗力を高める
低カロリーなのでダイエットにも向く
皮をむいて塩もみ後、水から2~3分ゆでて与える
大根 酵素たっぷりだが、熱に弱いので生でおろしなどにする
おろす場合は葉に近い部分のほうが犬は食べやすい
葉も与えることができる
生の場合はスティック状など細かく切る
チンゲン菜 × β-カロテンが豊富
クセが少なく、カルシウムやビタミンも多く含む
加熱して細かく刻んでから与える
トウモロコシ × ビタミン・カリウム・ミネラル・食物繊維をバランスよく含む
消化促進や解毒作用の効果がある
必ずゆでてフードプロセッサーにかけるか、細かくみじん切りにして与える
ナス × ほとんどは水分でできている
ナスニンという皮に含まれる色素成分に強い抗酸化力があり、ガン予防効果があると言われる
菜の花 × ビタミンC・ビタミンE・β-カロテン・食物繊維が豊富に含まれ、肝臓の働きをサポートしてくれる
リンが含まれているため、腎臓疾患がある犬には与えない
ゆでて細かくきざんで与える
白菜 繊維質たっぷりだが、繊維がやわらかいのでお腹に優しい
ビタミンCも豊富
加熱はもちろん、生で与えれば酵素も補給できる
パセリ 不溶性食物繊維が豊富に含まれ、排便を促進する
与えすぎると、下痢や腹痛の原因につながる
生のままでみじん切りにして与える
もやし × 95%が水分でできており、ビタミンC・カリウム・食物繊維を含む
豆の部分まで熱が通るよう、しっかりゆでて細かくきざんで与える
レタス ほとんどが水分と言われているが、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富
生で与える場合は細かく切る
レンコン ビタミンC・ミネラル・食物繊維が豊富な食材で、免疫力をあげる
加熱する場合は細かく切り、生の場合はすりおろすと食べやすくなる

他の食品と一緒に、トッピングなどで与える場合は、小型犬であれば1種類につき10~15gとされています。
野菜は果物に比べると低カロリーですが、やはり与えすぎには注意が必要です。
「おやつやトッピングで少量を与えても大丈夫なもの」として認識しておきましょう。

のりまき家の愛犬あずには、野菜を始め、人間の食べ物は一切与えていません。
パピー期でお腹が弱かった頃は、何とかしてやりたくて、少量のゆでキャベツや小松菜などを与えていたこともありました。
細かく刻んで加熱するか、ペースト状にして、ふやかしたフードにトッピング。量は1食あたり小さじ1/2杯程度にしていました。
結果的には効果が見られず、また今は完全栄養食であるドライフードを与えているので、野菜を与えるメリットは特に見いだせず、与えることはありません。

あず
あず

野菜は犬が食べてもOKな種類が多いね♪

のりまき
のりまき

果物より糖質が低いものが多いし、あげる意味もありそうだね♪

あず
あず

あたしが年寄りになったら、のりまきのミネストローネ食べたいな♥

のりまき
のりまき

その時はちゃーんとあず用に作ってあげるよ♥

参考:
公益財団法人日本医療機能評価機構『3 再発予防 CQ29 シュウ酸はどのような食品に多く含まれるか?また、シュウ酸の摂取について工夫すべきことはあるか?』
わんちゃんホンポ『犬が食べてはいけないもの一覧』
ワンペディア『犬に与えてはいけない危険な食べ物【獣医師が解説】』
グルメノート『人参の食べ過ぎは健康にも悪影響?適切な摂取量と食べ過ぎが危険な理由』
petokoto『犬はじゃがいもを食べて大丈夫!芽などの注意点やレシピを紹介』
All Abouto『犬にじゃがいもは与えて大丈夫!芽は毒があるので注意』
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ワンペディア『【獣医師監修】犬はトマトを食べても大丈夫?食べ方や注意点とは?』
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ほか