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わんこのおやつ~犬にいちごを与えて大丈夫?~

わんこのトリセツ
この記事は約9分で読めます。
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今回は犬にいちごを与える時の注意点や、いちごの栄養素などについて詳しく書いています。
犬に与えてはいけないor与えてもよい果物全般については、こちらをご覧ください。

いちごの栄養素とデータ

いちごの栄養素

ビタミンC

いちごは、グリーンのキウイフルーツや甘柿と並んで、ビタミンCを豊富に含んでいます。
含有量は100gあたり62mgと、レモン果汁よりも多く、みかんの約2倍とも言われます。

ポリフェノール

いちごには「アントシアニン」「エラグ酸」というポリフェノールの一種が含まれています。
アントシアニンは 視力・視覚機能の改善や眼精疲労の予防に効果があるとされ、目のサプリメントにも利用されています。ビタミンCとの相乗効果により、高い抗酸化作用を発揮することが分かっています。
エラグ酸はいちご、ラズベリー、クランベリー、ぶどうに多く含まれ、抗酸化作用、抗ウイルス効果、美白効果など様々な効果があります。

食物繊維

いちごには食物繊維が1%ほど含まれます。
特に水溶性の食物繊維である「ペクチン」を含んでいます。
与えすぎには注意が必要ですが、犬の腸内細菌と相性がよく、犬の腸にやさしい食物繊維であるとされています。

のりまき
のりまき

ちなみに、いちごの表面の種に見えるつぶつぶが、実はいちごの果実です

あず
あず

じゃあ果実っぽいジューシーな赤い部分は?

のりまき
のりまき

果実を守るための「花托(かたく)」と呼ばれるものなんだよ♪

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日本におけるいちごの生産と消費

いちごの生産量ランキング

様々な種類のいちごが、北海道から沖縄まで、年間約20万t生産されています。
生産量の第1位は栃木県。全体の生産量の15%以上を占めています。
2位以下は福岡県、熊本県、長崎県、静岡県と続きます。

生産量1位の栃木県は、消費量でも全国1位です。
2位以下は長崎県、東京都、千葉県などです。
一般家庭におけるいちごの年間消費量は約2.4kg。バナナ、りんご、みかんなどには及びませんが、ぶどう、キウイフルーツ、桃より上です。

いちごの品種

KADOKAWA

流通しているのは、ほぼすべてオランダイチゴ系です。
日本で生産されているいちごは、ほとんどが甘みの強い生食用の品種です。
品種改良が進み、多数の品種が生産されています。

1980年代から1990年代後期までは「東の女峰(にょほう)、西のとよのか」と呼ばれるほど、色鮮やかな栃木産「女峰」と、大粒で甘い福岡産「とよのか」が席巻していましたが、今ではこの二大品種を交配させた「とちおとめ」が日本一の生産量を誇っています(2019年現在)。
他には、香りが強くほどよい酸味の静岡産「紅ほっぺ」、大粒品種の福岡産「あまおう」なども有名です。

こちらの記事で紹介した、徳島県佐那河内村(さなごうちそん)でのみ生産される「さくらももいちご」など、プレミアムなブランド品種も栽培されています。

のりまき
のりまき

日本で本格的にいちごの栽培が始まったのは1872年!
当時は皇室のための高価なものでした

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いちご1粒は何グラム?

いちごは品種により、大きさや重さにバラつきがあります。
小粒は約10g、大粒は約50g程度で、通常サイズは約30gほどです。

1個可食部の重量可食部のカロリー100gの個数
50g15kcal2個
通常サイズ30g9kcal3~4個
10g3kcal10個

ちなみにいちご1パックは200~300g程度、サイズによりますが10~20個が入っているようです。
食品成分などで基準とされる100gは、いちごの個数に換算すると3~4個になります。

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犬にいちごを与えて大丈夫?

結論から言うと、いちごは犬に与えても大丈夫です。

与えてもよいいちごの量

体重10kgに対して、いちご1個(30g)が1日の適量とされています。

体重1日の目安量
超小型犬~4kg1/2個(15g)
小型犬~10kg1個(30g)
中型犬~25kg2個(60g)
大型犬~44kg体重に応じて
3個(90g)~
超大型犬45kg~体重に応じて
3個(90g)~
犬に与えてもよいいちごの量

いちごは、必ずしも与えなければならないという食品ではありません。
おやつやトッピングとして与え、1日に必要なカロリーの10%までにとどめましょう。

丸ごとでは、喉に詰まらせる恐れがあるので、食べやすく切って与えます。
特に超小型犬や小型犬、嚥下能力の衰えたシニア犬には、必ず細かく切ったり、すりつぶしたりして与えましょう。
ミキサーでジュースにすると消化もよくなります。

相方
相方

大型犬でも丸飲みすると危ないから、カットして与えて!

犬にいちごを与えるメリット

水分補給

日本食品標準成分表によると、生のいちごのおよそ90%は水分です。
水分補給が必要な季節や散歩の後で、おやつで与えると水分補給の補助になります。
また、さっぱりして食べやすく甘みもあるので、食欲が衰えている時に、適量をフードのトッピングにするのもお勧めです。

のりまき
のりまき

あまり水を飲みたがらなくなった時など、果汁を少―し混ぜるといいです♪
その場合は汲み置きせず、すぐ飲む分だけにします

あず
あず

粉薬だけ混ぜたお水は飲みたくないけど、いちごやヨーグルトの味がしたら飲んじゃう♪

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ビタミンC

ビタミンCには「皮膚や関節の健康維持」「抗酸化作用」「免疫力の向上」の効果が期待できます。
いちごに含まれるポリフェノール「アントシアニン」との相乗効果により、高い抗酸化作用を発揮します。

健康な犬や猫は体内でビタミンCを合成することができ、さらにドッグフードにも含まれるため、フードを主食にしていれば、基本的にビタミンCの不足はありません。
ただ年齢や生活環境、病気などにより、体内で合成する機能は落ちていく傾向にあります。特にシニア犬は不足しやすくなるので、いちごでビタミンC補給をするのは手軽でお勧めです。

サプリメントなどからビタミンCを過剰摂取し続けると「シュウ酸カルシウム尿石症」(いわゆる尿路結石)を引き起こすことがあります。

相方
相方

シニアになって食欲が落ちた子には、フードのトッピングにすると喜ぶし、ビタミンCも摂れていいね!

ポリフェノール

いちごに含まれるポリフェノールの一種「アントシアニン」は、「抗酸化作用」「免疫力の向上」のほか、毛細血管の保護や血液をサラサラにするなど、老化を予防する効果が期待できます。
ビタミンCとの相乗効果により、その働きが一層高まるとされます。

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食物繊維

いちごに含まれる水溶性の食物繊維「ペクチン」は、消化器官内の水分量を調節して、排便を促進します。
また、腸内の善玉菌の増殖を助け、腸内環境を整えます。

一方で過剰な食物繊維の摂取は、消化器官の水分量の増加に繋がり、かえって体調を崩す場合もあります。
犬にとって食物繊維は、多すぎても少なすぎても負担になるので、適切な量を摂取するように気をつけます。

あず
あず

フードだけ食べてるけど、便秘になったことないよ!

のりまき
のりまき

あずは下すタイプだし、まだ若いからね

相方
相方

わんこが野菜や果物から食物繊維を摂りすぎると下痢をするので、与えるのはほどほどに!

犬にいちごを与える時の注意点

いちごは生で与える

いちごに含まれるビタミンCは熱に弱いため、特に理由がない限りは、生で与えます。

ヘタを取り除く

いちごのヘタは犬にとって有害ではありませんが、固くて食べにくく、与えるメリットはありません。
食物繊維の摂りすぎや不消化にもつながりますので、ヘタは取り除いて与えましょう。

ヘタを除いた後でいちごを洗うと、ビタミンCが流れ出てしまいます。
手早く洗ってからヘタを取りましょう。

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キシリトールには注意が必要?

キシリトールは、歯の表面を溶かす酸を作らず、虫歯の原因となるミュータンス菌の働きを弱めるため、人間にとっては「虫歯予防」の効果があります。
キシリトールガムやタブレットには、シラカバなどから抽出されたキシリトールが使われていますが、多くの野菜や果物にも自然に含まれています。

いちごは果物の中ではキシリトールを多く含んでおり、歯茎の健康に役立つビタミンCも豊富なため、人間の間食として歯科医院も勧めています。

しかし犬にとっては、キシリトールは中毒を起こす有害なものです。
個体差がありますが、体重1kgあたり100mgを摂取すると低血糖など症状が、500mgを摂取すると嘔吐や急性腎不全など中毒症状が現れると言われます。

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いちごのキシリトール含有量

今回、閲覧した多くのサイトやブログでは、「いちごにはキシリトールが100gあたり350~360mgほど含まれる」とありましたが、これは実は「乾燥重量100gあたり」の含有量です。

日本フィンランドむし歯予防研究会によると「いちご(乾燥重量)100gにはキシリトール362mgが含まれる」というデータがあります。

生のいちごの90%は水分なので、生のいちご100gに含まれるキシリトールは、多く見積もっても35~40mg以下ということになります。
数値的には、その1/10とするサイトもありました。
つまり生のいちごに含まれるキシリトールは、量としてはそれほど多くないということです。

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いちごによるキシリトールの心配はない

犬が症状を起こす基準である「体重1kgあたりキシリトール100mg」をいちごで摂取しようとすると、およそ250~300g、1パック分10~20個が必要です。

キシリトールの影響が現れるには、例えば体重2kgのチワワであれば2パック、5kgの柴犬なら5パックのいちごが必要になります。
のりまき家の愛犬あずは、体重25kgのラブラドールですが、25パック、なんと1kg以上ものいちごが必要です。

いくらラブラドールが食いしん坊だからといって、一度にそれほど大量のいちごを食べる機会などないのではないでしょうか。
そのため、現実的には生のいちごによるキシリトール中毒の心配はほぼないと言えます。

ただし乾燥(フリーズドライ)いちごの場合は、摂取できてしまう可能性があるので、注意が必要です。

のりまき
のりまき

野菜や果物に含まれるキシリトールは微量なので心配ありませんが、キシリトールガムやタブレットには、1粒あたり500mg含まれる商品もあるので、誤食されないようしっかり管理しましょう!

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アレルギーに注意

いちごはバラ科の果物です。バラ科アレルギーを持つ犬には与えてはいけません。
同じバラ科のリンゴ、桃、さくらんぼ、ビワなどにアレルギーがあることが分かっていれば、与えない方が無難です。

アレルギー体質の愛犬であれば、与える前にかかりつけの動物病院に相談されることをお勧めします。

バラ科アレルギーがない(分からない)場合でも、初めて与える時には少量にして様子を見ましょう。

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いちごの加工品は大丈夫?

いちごを使ったお菓子は、砂糖やクリーム、牛乳などが使われているため、基本的に犬に与えてはいけません。
ジャムもやはり大量の砂糖と犬にとって有害なレモン果汁が使われていますので、与えないようにします。

フリーズドライのいちごは、砂糖が使われていないものを、量に気をつけて与えます。
犬用のおやつとしては、ペット用品通販「ペピイ」さんなどで市販されています。無添加・オーガニックストロベリー使用です。

のりまき
のりまき

生のいちごを刻むかすりつぶして、無糖ヨーグルトに混ぜたものなら、少量であれば与えてOK♪

あず
あず

これならわんこも飼い主さんと一緒に食べられるね!

参考:
ペット栄養学会誌「禁忌食(その3)—犬のキシリトール中毒」左向 敏紀, 大島 誠之助
日本フィンランドむし歯予防研究会「キシリトールの基礎知識」
農林水産省「いちごの品種、増加中!」
栃木県庁「いちごの栄養」
独立行政法人農畜産業振興機構
食品詳細 【出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)】
緑書房『犬と猫の栄養学』奈良なぎさ
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』